2020/05/25 22:22
5月25日 くもりのち雨
本日のBGM Madison McFerrin
こちら↓以前登場した、白い大鉢に苔石と水が入っているやつなのですが、日陰具合がちょうどいいみたいで、じわじわと苔が成長して いい感じなのですが、器が白いもんだから大量のボウフラが丸見えで大変気持ちが悪いです。(写真ではボウフラをぼかして見えにくくしております。)
ボウフラは水をきれいにしてくれるそうですが、成長すると蚊になる奴らなので、環境には優しくても我々にはとっても厳しい。私はそんな吸血予備軍たちを野放しにしておけるような おアニいさんとは おアニいさんの出来がすこおしばかり違うんでい!覚悟しあがれい!って事で、一度やってみたかった油でのボウフラ駆除というものを試してみました。
庚申窯にはこんな水たまりの数が百を超えていますので、ここのボウフラを虐殺したところでモスキート被害が減るわけではないのですが、自分で ためている水で蚊を育てちゃってるというのはちょっとねえ?っていうのと、単に油を注いだら どういったことになるのか見たかっただけです。知識は実践を通じて育まれますからね。
食堂の台所したにあった、揚げ物に使った油の中でも一番色の黒いやつを持ち出して、水面にたらしてみました。思ってたよりも油のつぶつぶがきれいで、そのつぶつぶの動きを見ると緩やかに左回転していて水の流れも視認する事ができ、木漏れ日の反射もあってなかなか美しい景色でした。
油は水よりも軽いので、水面にはこのように油の膜ができるのですが、その膜のせいでボウフラはうまく呼吸をする事ができず 窒息死してしまいます。木漏れ日を受けてキラキラ光る水面の下では 呼吸を奪われたボウフラたちの酸素を求めて動き回る地獄絵図が展開されていたというわけですね。遠くから見るとなんでもきれいに見えます。
これでボウフラが全滅したら次は何が住み着くのかしら、おや、ハエが水面に止まったと思ったら油が体にまとわりついて沈んでいくぞ、ここは虫たちにとってなんて優しくない世界なのかしら、などと考えていたら庚申窯に住み着いている野良猫がやってきて水面に浮いた油をペロペロと舐めはじめました。
ほとんど水なんだから ちょろっと舐めるだけなのかと思ったら、一心不乱とはかくありきと言った熱心さで油を舐め続けておりました。やはりこの猫たちは油が好きなようです。
その様子を見て別の猫もやってきて、駆けつけペロペロという事で席を並べて舐め倒しておりました。
彼らの中の一体何がそれほど油への情熱を掻き立てるのか。2匹で水位が下がるくらいまで飲んでたので、さすがに飲み過ぎで体調崩すんじゃないかしら、と思ってましたが、数時間後も変わらず元気だったので野良は頑丈でいいなと思いました。
レポート:
普段 水の表面張力に慣れてる虫たちは、油の弱い表面張力で普段できる動きを失敗して水に溺れる
揚げ物に使った油でも野良猫は平気
一心不乱な猫は写真を撮りやすい
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目