2020/05/27 02:42
5月26日 くもりときどき雨
本日のBGM Fkj
シェーバー、いわゆる電気剃刀の刃の上を なめくじが這ったあとの粘液がついていて、小満の走り梅雨に生命の息吹を感じ、なんて時候の文句を並べつつ、髭、ひげ、アフタヌーンシャドーについて。
私は陶芸家なのですが、陶芸家というのは外見に無頓着でも それがむしろ芸術肌だとかで評価されてしまうという風潮に甘んじて、ヒゲを生えるがままに生やかして何の手入れもせずモサモサのヒゲ面を振りまいて過ごしたいのですが、いくらでもヒゲを生やせる環境にいる私みたいなのに限ってヒゲが薄く、伸ばしたところでしょんぼりした感じになるので3日にいっぺんくらいの頻度で剃っています。
私の場合3日に一度で、本数の少ないチョロヒゲだから2分くらいで剃り終わるのですが それでさえめんどくさい。これが剛毛で毎日剃る必要のある人だと まあーめんどくさいと思います。ヒゲについて男性が思う事ナンバーワンは「剃るのがめんどくさい」に尽きると思うのですが、このめんどくささから解放されるには永久脱毛しかないのかしら。
でも脱毛ってお高いんでしょう〜?脱毛は何回か通院を重ねる必要があって、途中で辞めたりしたら それまでかけた費用が無駄になってしまうため、毛穴という毛穴を焼き殺すまでは終わらないし終われない、絶対に負けられない戦いなのです。でもその人の毛根の強さによって殲滅までの時間が変わるので、どのくらい通院が必要か戦を始めてみるまでわかりません。
もし毛根勢が予想以上に根性だして ゲリラ戦を展開したら「これにかかった費用を稼ぐ時間と、髭を剃る時間、どっちの方が長かったのかな?」などと考えてはいけないことを考えてしまいそうになるので、何か身近で経験した人はおらんかなと思っていたところ!
私の友人で、剛毛で、毎日ヒゲを剃る必要のある仕事で、お金は十分にあるけど使い道を見出せなくなっているという幸せなのか不幸せなのかわからない男性がヒゲ脱毛を始めたそうで、私はその彼の実際やってみた感想や、かかった費用や期間などを聞いて脱毛オアノット脱毛の判断をしたいと思いました。でもヒゲにレーザー当てるの結構痛いらしいので もうすでにやる気はなくなっているんですけど。
一方でヒゲに対して真逆の志向性を持っているタイプの男性もいまして、30前後の男性で、実年齢より若く見られることにコンプレックスを抱いている人たちです。私は中学生の時から老け顔であると教師からも認定されておりましたので その手のコンプレックスはありませんが、そんな彼らがまず最初に大人の装飾として選ぶのがヒゲを生やす事で、そのチョイスの安直さがもう微笑ましく思えたりします。
私の友人その2がいまして、彼は実年齢より若く見られる事が多く、仕事での取引相手や部下などから ナメられないようヒゲを伸ばしており、リンカーンやスピルバーグのように、ヒゲを生やした事によって貫禄が出て仕事も大成功という作戦を遂行しているのですが、
残念なことに彼のヒゲも私と同じタイプで、範囲が狭く、密度が薄く、最長でも1.5cmくらいしか伸びないので、むしろ中学生が背伸びをしているような痛々しさが醸し出され、それをゴリゴリに指摘しても本人の意思は固く、ヒゲを伸ばし続けていればいつか濃くなる、あるいはそれが似合う顔立ちになると信じて聞かず、
「俺のビジョンに追いつけない哀れな大衆、そして逆境をはねのけ信ずる道をゆく俺」という大変厄介な状態に突入しておりまして、こうなるともう指摘の言葉は敵国の伝単のようになってしまい、ヒゲは似合わないと言うほどに本人の士気が上がっていくだけなので、行くとこまで行ってもらって、竹ヤリではどうにもならなかったね、ということを自覚していただき、客観的な判断のもとヒゲを剃った時、彼の見た目年齢も少し上がるのかもしれないと思いました。
あざとい男性については次に続きます。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目