2020/05/28 00:26

5月27日
本日のBGM  The bird and the bee

実年齢よりも若く見られる友人その3がいまして、彼の写真を女性の友人に見せたところ、「あら爽やかそうなイケメンですね」と褒めていただき、ちなみに彼33歳なんですけど、と付け加えたら「え!それはない!ひくわ!26とかじゃねーの!?」と驚かれて評価が一転し、見た目が若くても女性に好まれないタイプの若さもあるようで、

男性が若々しいと思われるのか、それとも幼いと思われるのか、この2つは似てるようであって明確に違うみたいで、一体何が両者を分けるポイントになるのかしら。 

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髭で貫禄をつけたリンカーンも、「性格やら経験やらは顔に出るから 人は見た目じゃないなんて甘えた事ぬかしなさんな」と言ってますから、大人っぽく見られたいなら髭を蓄える前にやることがあんだろ ってことでしょうかね。 


つまり内面を磨けよ という事みたいですが、外見に滲み出るような内面って それまでの人生で積み重ねてきたものだから、今さら方向修正しようとしたところで もうほとんどの部分が手遅れなのでは。。もしかしてその手遅れな内面のどうしようもないイタさを指して幼いと思われてるのだとしたら。。キャアア!これ以上は考えることをやめましょう。


幼く見られることを嫌がる男性がいて、幼く見える男性を嫌う女性がいる一方で、かわいい男性を好む女性や、かわいさの研究に余念がない男性も一定数いて、それらは増加傾向にあるみたいです。(ここで言うかわいいと幼いは違うものだと思います)


「あざとくて何が悪いの?」という番組がありまして、どんな番組かというと、巷間で繰り広げられる恋愛活劇における「あざとい」と思われる行為を、有志からなる「あざとさGメン」たちが取り締まり、番組に書類送検して、その資料を基に 事件の顛末を見目麗しい女優さんでもって再現し、

泥棒のプロが現役を降りて、犯行手口の解明で警察に協力するように、あざとさのプロ達が あざとさ事件再現ビデオを事細かに検証し、犯行の手口ならびに動機を解説すると言う番組でございまして、


先日放送された回では「あざとい男子」という生き物にも注目し、かわいい男性たちが実はどのような手練手管で色恋のしのぎを削っているかを解明するため、その道のプロである男性ゲストが登場しまして、

「あら可愛らしい。こんな人に甘えられたらお金やステータスを勝ち得てきた器量の良いお姉様方はメロメロになっちまいますな」と思って、そして見ているうちに判明した彼の年齢が31歳。「さ!さんじゅういち?! 22、3とかじゃねーの!?」と 私は冒頭の友人女性と同じようなリアクションをしてしまいました。 

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もちろん彼は俳優なので「元泥棒が教える防犯対策!」みたいに かつて手を染めた犯行手口を実演してくれているので、彼自身の実態はまた別のものだと思いますが、なるほど、期待の裏切られ方には良いパターンと悪いパターンがあると思っていたけど びっくりしてしまうというパターンもあるのね。 


つまり私も年齢に対して「ふさわしさ」みたいなものを思い描いていたようで、これは日本人が今まで年功序列の縦社会でやってきた影響が大きいと思われます。 

縦社会だと1歳の違いでも敬語を話さなければいけない、年上に気を遣わなければいけないなど、こちらの態度を一部強要されるもんだから、年上に対してその分の大人らしさを期待して、その期待に添えない年上たちを勝手に軽蔑したり、非難したりしてしまうのは、年功序列というシステムに対する反発ということでしょうか。 


だから私も31歳とはこのくらいのもんだろう、というモデルがあって、それとは全く違う価値観を垣間見た時にびっくりしてしまうのだと思います。 

ネット文化の発達で人間関係が地域に限定されなくなり、縦社会もどんどん緩やかに変化して、個人の取捨選択がコミュニティを作る基本になっていったら、年齢にふさわしいという概念が薄くなり、個人の自由を今よりもっと許すことができるようになっていくと思います。 


あざといことは気遣いでもありますし、人を喜ばす方向の努力なので いいことだと思います。もし私が あざとい女子あざとい男子の跋扈する現場に同席したら、もう垂涎ものでございまして、彼らにどんどんアシストのパスを出して どんどこ焚きつけ、恋愛浪漫活劇を熱演していただきたいと思います。

そして後日、下賎な輩たちと共に、事の顛末を脚色しつつ美味しく反芻していただく所存でございますので、あざといのは大歓迎です。


あざとい行為は周囲数人の相対評価の下落を踏み台にして、私だけがよければいいの!というジャンプですので、その踏み台にされた方たちのイラ立ちは半端じゃないと思いますが、遠くから見てたらとっても面白いので、かわいさ求道者の方たちは より嫌味に見えない あざとい技術を開発してもらい、あざとさGメンの方たちは 少しの利己性も見逃さない鋭い眼力を養っていただいて、些細な会話でもいろんな針が飛び交う高尚な都市文化を育てていただければ幸いです。


社会が爛熟すると恋愛期間が長くなると言いますから、30歳でぶりっこはきつい、などと了見の狭いことは言わず、男女問わず30歳は37歳くらいに可愛がられて40歳は50歳に可愛いがられるような、それぞれのステージであざとさを武器に恋愛活劇の舞台で暴れまわってくれたら、若者の情操教育上とってもいいなと思いました。

髭とあざとい男子の話おわり


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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目