2020/06/18 03:02

6月17日 晴れのちくもり

本日のBGM Mac Ayres

今日は祖母からの依頼で、そろそろ木から落ち始めてる山桃↓をキャッチするための網を張りに裏庭に行きました。

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裏庭に行く前には まず虫除けスプレーをボデーに散布。ローズゼラニウムなどのハーブを煮たりしてオーガニックな虫除けを作ったこともありましたが、買った方が安上がりアンド効果抜群ということで、近年は文明の利器に頼りまくっています。でもローズゼラニウムとか香りがいいし、子供なんかにも安心なので、そういう作業が嫌いじゃない人にはおすすめですね。

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ほんでこのふわふわしたゾウさん印のズボンなんですけど、ふわふわした服の方が歩くたびにこう風がパタパタ送られて涼しいし、布と肌の間に空間があることで布越しで蚊に刺されることが減るので夏場はだいたいこんなん着てますね。



このズボンはインドで買ったもので、インドに行くと物価の違いから 私は小ブルジョワジーに転身して、資本主義の豚のごとく散財するんですが(1日2,000円くらい)、

それでもすぐに現地の価格に慣れて「これで500円はちょっとね〜」とかって買い控えて日本に帰ったら、同じようなのが2,000円以上したり、そもそも売ってなかったりするので、このズボンもケチらんと10着くらい買ったらよかったなーと思っているんですけど、

「まあまた行った時に買う楽しみもあるじゃあないか」 とも言えますが、私がインドくんだりまで行った理由は、インドに友人がいたからであって、そいつが来年には日本に帰ってきやがるそうで、そうなるとインドに行くことはおそらく2度とない気がしまして、やっぱり10着くらい買えばよかったと思うのです。


私は旅行自体にそれほど興味がない人間なので、誰か知り合いが現地にいてくれないと海外は めんどくさくて行きたくないんですけど、

この間 海外在住の友人その2とオンライン飲み会で話したら、これがまた人に会うという機能は十分に果たしてくれまして、その結果「友人に会うため」というモチベーションが9割がた霧散しまして、そうなると本当に海外に行く理由がなくなってきてるような感じの今です。


もーこれは映像情報文化の弊害ですよ。たぶんですけど美しい景色というのは何日もかけてヒーコラ言いながら ようやっと辿り着いて、道中あれやこれやのトラブル、同行者や現地人との罵詈雑言合戦を経て、脳内から心身の疲れを癒す お汁がいっぱい出てる状態の時に、初めて見る景色だからこそ実際の風景よりも素晴らしいものに感じられるのだと思いますが、

例えば日本で普通に暮らしてたら、世界の絶景なんてのはもう何十回も目にしてるわけで、そうなると実際に現地についても「あ写真とおんなじね〜」とか「今日天気悪いな〜このパンフレットみたいな写真が撮りたいのに、ちょっと晴れるまで待とか」とかなってしまいますよね。少なくとも私はそうなってるんですけど。


「じゃあ見ないで行けばいいじゃん」とおっしゃるかもしれませんが、見ようと思ったら見れるものを 意図して見ないようにして っていうのは、なんかちょっと気持ち悪いじゃないですか。

こういうのなんて言いますの、ハスラー2で例えるなら、ビリヤードがうますぎて誰も勝負してくれないから、どんどんハンデをつけて、賭けの条件も譲歩して相手をしてもらう時のトムクルーズみたいな感じ。


つまりそれって 自分にルールを課してレベルを合わせてから遊んでるということで、 それでは本当の喜びは手に入らないような気がしまして、そうじゃなくて全力でぶつかりたいじゃあないですか。がっぷり4つ組みたいじゃあないですか。


てことは旅行で全力を出すには誰も行ったことのない場所に行くしかないんですけど、そんなところ もうないですよね。


有名な写真家の人が「まだ地球の4割は未発見だ」的なことを言ってた気がしますが、それは一般人がおいそれとは行けないアマゾンの奥地とかマグマの吹き出てる危険地帯とかそういうところの事ですよね?

でもそんな場所って カメラが初潜入!とかって番組になって「あらーすごいわねー」ってお茶の間で擬似体験できちゃうから、やっぱりもう地表にフロンティアは残っていないような。


フロンティアはたぶん 今後技術発展することで、新たに電脳世界的な感じで創造されるかもしれないけど、肉体的な冒険はもうほとんどなくなってて、それで私は旅行にあんまり興味を持てないんだと思いました。


などと旅行にあんまり行く気力のない理由を思いつくまま書いてみましたが、書き終わって思うのは、たぶんこの縛りプレイが今後はどんどん重要になってくるんじゃないかということです。


「見立て」の文化に近いと思うのですが、現地のことを調べて、自分の中で物語を作って、その場所を自分なりの聖地にすることで楽しく旅行ができるような気がします。


つまりもう 「ただの風景だけ」で感動できた時期は終わって、その場所を想像の力によって、実際とは異なる特別な場所に見立てるという文化が必要な時期になってきたんでしょうね。

そう思うと旅行したくなってきましたな。でも見立てで事が済むなら、庭に砂山作って「はいキリマンジャロ」とかやっててもいいわけですからね。これは大変文化レベルが高いですよ〜。そして全く話がずれましたけど、山桃キャッチの網はこんな感じに取り付けました。

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おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目