2020/06/28 00:57

6月27日 くもりときどき雨

本日のBGM The Golden Gate Quartet


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今日は梅雨らしいぐずぐずした天気で、晴れ続きでしおれてた紫陽花にはちょうど良い天気でしたけど、紫陽花でアジサイと読ませるって結構無理があるなと思いまして、

じゃあ平安時代ではどういうふうに書いていたのかというと、当時の辞典には「阿豆佐為」とされていて、これは読むにあたっては紫陽花より納得度は高いけど すごくだせえですよね。

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昔はいろいろな漢字が当てられていたみたいですけど紫陽花という書き方が広まったのは、

「唐の詩人白居易が別の花、おそらくライラックに付けた名で、平安時代の学者 源順がこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれている。」

と ウィキペディアから転載してみましたが、

確かに紫陽花とはいうもののアジサイの花って紫だけではないですよね。

ていうか源順って阿豆佐為って書かれてた辞典を編纂した人なんですけど、その人が「紫陽花」を広めたってどういうこと?「やっぱ阿豆佐為って書くのだせえわ」ってなっちゃったの?

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さてアジサイの色についてさらにウィキペディア情報から転用すると

花の色は、土が酸性なら青になって、アルカリ性だと赤になるそうです。同じ株なのに花の色が違うのはこれのせいらしいです。なるほどそういうことでしたのね。


そしてそれはなぜかというと

「土壌が酸性だとアルミニウムがイオンとなって土中に溶け出し、アジサイに吸収されて花のアントシアニンと結合し青色を呈する」

ということだそうで、

ここから陶芸っぽい話になるんですけど、

庚申窯には大量にアジサイが植えられていまして、というのも祖父が趣味でどんどこ植えたせいなんですけど、放っておくと通路が埋まってしまうので花の時期が終わったアジサイは短く切らねばなりません。

すると大量のアジサイの死骸が手に入るのですが、このアジサイを乾かして 燃やしてできた灰は釉薬になりまして、こんな感じの色になります↓

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この青っぽい色が毎回綺麗に出てくれたらいいんですけど、このアジサイの釉薬は結構くせもので、青が綺麗に出てくれる時もあれば、なんかぼんやりした色にしかならない時もあってなかなか思い通りにならんのうと思っていたのですが、

今見たウィキペディアによれば 土壌が酸性だアルカリ性だアルミニウムだイオンだって言っておるから、それって釉薬にした時に影響しそうな感じもりもりにしますやん。結局釉薬の色を決めるのは鉱物ですから、アルミニウムとかも少なからず影響しそうなんです。アルミニウムと言ってもすごい少量でしょうけど。


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てことは青い花が咲いてるアジサイだけ選り分けて釉薬にしたら、より発色が濃いものになるんじゃないかと思いまして、庚申窯のアジサイも3分の1くらいは青い花が咲いていますから、これは試してみる価値がありそうです。なので多分試してみると思います。


そしてアジサイの写真が余ったのでまとめて貼り付けておきますね↓

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ちなみにアジサイについての和歌を藤原定家も詠んでいるそうです。

あぢさゐの下葉にすだく蛍をば四ひらの数の添ふかとぞ見る

正直後半どういう意味なのかわかりませんが、あぢさゐって書くのもなんかいいですね。


おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目