2020/07/09 02:07

7月8日 晴れときどきくもり

本日のBGM A$AP Rocky

画像2

テイカカズラと藤原定家の話、いやー長かったですね。テイカカズラについては序盤しか関係なかったですからね。

最後の方で書いた部分は一番最初に思いついたものだったので、既に内容はあったのですが、頭の中の未整理なものを なるべく整合性をつけてまとめるっていうのが大変でした。

「これもルールに縛られた行為ってやつじゃあないの」などと思いながら書いておりましたが、その途中で派生した思いつきのようなものを、せっかくなのでいくつか取り上げてみました。まあ今までのも全部思いつきですけどね。


〜〜〜〜〜


AIが複合的なデータを実際に扱えるようになったら、人間と見分けがつかない人工知能ができる可能性はいくらかあると思います。

そうなると私みたいな同胞愛が乏しい人間は「人工知能の方が自己増殖を含めたあらゆる面で人間より優秀だとしたら、もうバトンタッチして人類はお役御免と立ち去ればいいんじゃないかしら、

それとも人体改造が当たり前になって高性能な生き物に自らの手で進化していくのか、それとも人間にはメスを入れずに、作り出したゴーレムたちを奴隷にしてまた繁栄するのかしら」なんて想像が膨らんで、いずれにしろ楽しみにしています。

しかし一方で、人間と見分けがつかないレベルの人工知能の実現化については、実はけっこう手詰まりで、原理的に不可能っぽいというか、みんなが思い描いているような人工知能の水準には全く到達していないという学者たちの見識がありますが、こういう声は開発の機運を下げて研究費が出にくくなるのでやっぱり言わない方がいいなと思いました。


〜〜〜〜〜


ミロのビーナスの腕と言えば、連載漫画とかも連載してるからこそ面白いんだと思いました。先の展開に期待が膨らんで、物語の全体像を自分にとってすごいものに思い描くことができますからね。でもお話が完結してしまったら その幻想は消えてしまうのだと思います。

漫画をまとめ買いした時も、読み進めてる時はすごく面白いけど 読み終わったら急に魅力が乏しくなって なかなか読み返したりしない一方で、連載中の漫画だと、読み返してても面白いです。物語の進行具合によって過去の話も見え方が変わりますからね。だから多分今連載されているものを読むのが一番贅沢なことなんじゃないでしょうか。

しかし一方で、完結してても何度も読み返すものもあるので、それはきっと作品世界が魅力的なんだと思います。そういうのはとてもいいですね。


画像3


〜〜〜〜〜


和歌は想像力によって 歌に込められた情景を脳内に再現していたわけですけど、もし自分の感情をそのまま他人に伝えられるツールができたりしたら、それは和歌が目指していたゴールでもありますよね。

他の人が感動した出来事を追体験することができたら、それって他には何も要らなくなるんじゃないでしょうか。

クリエイターが創作したものは、彼らが考えていた脳内の設計図よりも劣ることが多いわけですから、作品なんか介せずに そのまま脳にダイブして、感動だけを味わうことができるみたいな。

そうするとこれまでの芸術というのは役割が変わって、個人の感情を拡張するためのオプションみたいなものになるんじゃないかしら。


これに関しては、かつて「となりの山田くん」という題名だった「ののちゃん」という4コマ漫画がありまして、朝日新聞の、それで前に見たエピソードで端的に描かれておりました。


山田家のおばあちゃんがアースノーマット的な 電気式の虫除け機についてぼやいていて、

「前は蚊取り線香に火をつけたら煙が出て、いかにも効いてるな〜 という感じがあったけど、これは効いてるんか効いてないんかようわからん。

音楽だって前はレコードやカセットという物がちゃんとあって、その物が音を出してくれてるという実感があったけど、最近ではダウンロード配信とかでみんなデータを買って喜んでいる。そんなデータ化されたもので音楽のありがたみなんかわかるものか!そのうちお前らは 『音楽を聞いたという記憶』を買うようになるだろう!! いけない!おばあちゃんが(ノーマットで)ラリってる!」

というのがありましたが私はこれがすごく大好きでして、技術が追いつけば記憶もカスタマイズするようになるんじゃないかなと。

だって自分より感受性が高い人の感動を追体験できたら、元の日常がものすごく色褪せて見えるんじゃないでしょうか。ドラッグが切れた時の虚脱症状みたいな感じで。

ちなみに4コマ漫画の内容は、随分前に見たものなので 私の脳内でかなり脚色されている可能性が高いです。


画像4

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目