2020/07/11 01:46
7月10日 くもりのち雨
本日のBGM スーパー・パンプキン
今日は地元の信用金庫に用事があったので出かけまして、田舎で何処かへ行くというのは車に乗るということを意味するのですが、エンジンをかけたらバッテリーが上がってまして、いつも乗るのは久々だからその度にバッテリーが上がってて、
私はバッテリーが「上がる」という言葉の由来も知らないまま、このバッテリーが上がった状態に慣れっこになっているのですが、
エンジンが かからないからって別の車で出かけると、これでまたさらにバッテリーがダメになっていく ということなので、巨大な洗濯バサミみたいな赤と黒の電極クリップで他の車のバッテリーと繋いで、その電力でエンジンを回すという作業をやらねばならないのですが、慣れてはいるけど大変に面倒な作業でございます。
そもそも1週間に一度は車に乗らないとダメということだそうですが、この1週間に一度というのが私のような出無精の人間には なかなか難儀なものでして、車のドアポケットにあった、前回 給油した際のレシートを見たら日付が4月24日で、ガソリンメーターの方を見たらまだ半分以上ありまして、それはバッテリーも上がってしまいますなあ。
ちなみに4月24日はブログを見返してみたら椿もち病を知った日でした。
車による人生の幸福という幻想があったアメリカングラフィティ的な世代との端境期には、価値観のギャップによる こういった不幸な状況が生まれるのね、やはり私は周囲の人々による
「田舎では車がなければ何もできない」などという蒙昧な車信仰による圧力をハネ除けて、坂東英二先生を信じてタクシーと友達の車だけで生きていく道を選べばよかったのではなかろうかしらん、などと思いつつ信用金庫へと向かいまして、
信用金庫での用事が終わって 次の目的地ホームセンターへ行こうとエンジンをかけましたら またバッテリーが上がってましてね、信用金庫までの道のりは半分近く下り坂だったからバッテリーがチャージされなかったのかしら、と思いつつ赤黒洗濯バサミは持ってきていましたので、
信用金庫の隣にある商工会におもむいて、そちらの方達には普段お世話になっているので、この際もついでにお世話になりまして、車を横につけてもらって、洗濯バサミで繋いでエンジンをかけることができたのですが、「バッテリー上がってる人 久々に見た〜 珍しい〜」というお褒めの言葉をいただきました。
ここでまっすぐ帰れば何も問題はないのですが、でもそれではまた距離が短くてバッテリーがチャージされないのではないかしらん。ここはちょっと遠いホームセンターまで行くことでバッテリーも復旧するはず!ということでホームセンターへ。
ホームセンターで雑品を購入して外に出ると雨が降っていまして、ザーザーという擬音がぴったりな雨らしい雨、ちょっと歩くとびたびたに濡れそうなくらいの降り方でして、
ホームセンターだったら店員さんが多いから バッテリーが上がっても助けてくれるはず、という見込みもあって来たら、この通り雨とかではない感じのしばらく降り続きそうな感じの雨、そして私の健脚により建物からずいぶん離れた駐車場の真ん中に停めてしまった車、
となると店員さんも、電気系統のものですので ちょっと雨が落ち着くまで待ちましょうか、ということになって、私は雨が弱まるまでホームセンターに逗留しなければならない羽目になり、
いつまでも止まずにむしろ激しさをます雨の中、最初はうっとおしく思っていた店員さん達の見る目も、とある出来事によってお互いに心を開きはじめ、次第にほのかな友情が芽生えて、私はホームセンターのトムハンクスと戯称されることになるのではなかろうかしらん、
という妄想をしながらキーを回したら 一瞬もたついたものの無事エンジンがかかりまして、ざんざん降る雨の中 車で帰りながら、こんな雨でも濡れずに移動できるだなんて車って便利ね と思いました。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目