2020/08/06 02:05
8月5日 晴れ
本日のBGM Lee Konitz - Star Eyes
これ↑は「サラ」の色違い、緑青のバージョンで、今回作ってるのはこの色になります。
前回↑は粘土を揉んだところまででしたけど、揉んだ粘土は ローラーにかける前に横長につぶしまして、幅が型紙より少しだけ大きくなるよう、作業台に叩きつけて伸ばします。叩きつけるのは粘土を締める効果もあります。
こちら↓が粘土を伸ばすためのローラーなんですけど、庚申窯のローラーは手動で、世の中には電動のやつもありますが、まあ手動で十分ですね。電動使ったことないんですけど。
でもこういうローラータイプのやつとは別に、プレス機みたいなので伸ばすやり方もあって、それはとても便利そうです。
ローラーだと どうしても粘土に「クセ」がつくので、例えばローラーをかけた粘土で まん丸のお皿を作っても、ローラーをかけたことによって 粘土に縮みやすい方向ができてしまい、焼き上がりが楕円になるんですよね。それがプレス式だと均等に広がりそうなので、まん丸を作りやすいかと。
ローラーで伸ばすとこんな感じですね。これに型紙を当てて、型紙より少しゆとりを持って周りを切り取ります。
先ほど申しましたローラーによる粘土の「クセ」、これを軽くするために この大まかに切った粘土の向きを90度 変えて、もう一度ローラーをかけます。
向きを変えたことが分かり易いかと思って矢印書きました↑↓
ローラーで1回伸ばしただけで型紙通りに切ると、一方向に強く縮みやすくなるので、粘土を伸ばす工程を2回に分けて、2回目の粘土の向きを90度 変えることによって、 楕円に歪むのを軽くしようって魂胆ですね。それでも少しは楕円になります。
そんで2度目のローラーをかけて、
2回目のカットで 粘土を型紙通りに切ります。
この時に切り落とした あまり粘土たちは まだまだ使えるので、業務用の厚手のビニール袋に溜めておいて、あとでまとめて土練機にかけて、もう一度使えるようにします。
ただ最初の菊煉の段階でけっこう水分は失われていますし、ローラーで伸ばす際にも水分は飛ぶので、あまり粘土を土練機にかける際には、ちょっと水分多めの粘土と一緒に混ぜ合わせると ちょうどいいと思います。水分のないボソボソ粘土は作りにくいですからね。
これ↑がローラーの布でして、真ん中の丸いのが粘土の水分が移ったところです。
ほんでこの水分、粘土から水分をいかに抜くかが、このお皿作りにおいてとても大事でございまして、そのために使うのが新聞紙になります。
とにかく新聞紙に水を吸わせまくる必要があるので、この最初の段階ではお皿1枚に新聞紙を3枚重ねて折りたたんだやつを敷いて水分を抜きます。
この新聞紙がいかに使えるやつかについては次に続きます。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目