2020/08/10 01:09

8月9日 晴れ

本日のBGM 麻倉未稀 - ミスティ・トワイライト

子猫〜22日目〜


IMGP5969のコピー2

これ↑もサラの色違いバージョンです。この色は一度本焼きした後で、福岡県久留米市にある伝統工芸品 「城島瓦」のいぶし窯でもう一度 焼いてもらって このような色になっています。

もともとは青い色で焼き上がっていたんですけど、いぶし窯が強烈な還元焼成なので 釉薬が再び変化して赤い発色なっています。この技法もかなりユニークなので、またいずれ紹介させていただければと思います。


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前回は円形に切った粘土板を新聞の上において乾かすところまででしたが、この翌日には次の作業に移ります。とにかくこのお皿は乾いていく段階に合わせて作業も進行していくので、一度取りかかったら しばらくは 作業予定が自動的に決まるんですよね。


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まずは皿の表側になる方を削っていきます。この粘土板をろくろに移しまして、表側として削るのは新聞紙で吸水していない方ですね。上向いてる方。

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半日もおけば粘土を外した新聞紙は、下の板も含めてビシャビシャに濡れますので↓  新聞紙が常に水分を吸い続けることができるよう新聞をこまめに変える必要があります。板もひっくり返します。

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最初の削り作業はざっと削りまして こんな感じです↓

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表側はどうせもう一度削るので ざっくりした削りでオーケーです。ここでの役割は、型紙で切っただけの円というのは どうしても正円ではないので、ろくろの回転を利用して均整のとれた円をしっかり削り出しておくことです。最初にしっかり円の基盤を作っておけば後の作業が楽になります。

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削り終わったやつは また同じサイドを新聞で吸水します。この時の新聞も新しいのに取り替えて、この段階ではガンガン水を吸っていいので また3枚くらい新聞を折りたたんで このように敷いて↑  次の日まで乾かします。この日の作業はこれを枚数分繰り返すだけですね。


ちなみにこの日に削った粘土の削りカスは、土練機にかけたらまた使えるようになるのでビニールに入れてとっておきます。この時 削りカスがパサついていれば霧吹きとかで水をかけておくといいと思います。

この次の日になると もう削りカスも かなりパサついていますから、これより後の削りカスは 水にとかして粘土作り〜 のところからのリサイクルになります。リユース期限は2日目までですね。

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で その次の日。

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今度はこれ↑をひっくり返して ろくろにセットして↓ 裏面を削ります。

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裏面を削るにはある程度乾いていた方が良いので、まだ柔らかさがあるくらいでしたら新聞紙だけ新しいのに変えて 半日ほど時間を置いてもいいと思います。

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ほんでもうこいつをしょっしょーんと削りまして、

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削りまして、こんな感じです。もう裏面は削りませんので、ここでの削りが仕上げの削りとなりますね。写真だと分かりづらいですが、中心が少しだけ、ゆるやかに窪んでいて、一応お皿っぽくなっています。

そしてここがポイントですが、形が決まったら、ろくろを回転させて 粘土の表面を指の腹で押しつぶすように粘土を締めていきます。

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すると表面が滑らかになって、あとでサンドペーパーで綺麗にする作業を省略することができますし、このお皿は曲線の滑らかさや しっとりしたカーブが大事な器なので、指で触ることで どこか変なところがないかを見つけることもできます。

指で表面を締めて、今度は今削った裏面を上に向けて、また新聞紙を下に敷きます。

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前日に削ったところが下に来るので、接触面積はすごく小さくなって、そうなるとあまり直接吸水はしないのですが、それでも下になった側は湿気がこもるので、やはり1日に2〜3回は新聞紙を変えた方が、あとでお皿が歪みにくくなります。

サラ作り、また続きます!

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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目