2020/08/16 01:39

8月15日 晴れ

本日のBGM マザー・グース - 貿易風にさらされて

子猫〜28日目〜

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明日までお盆ですけどまあ〜連日夏らしい天気で、空が真っ青で絵的にはすごくいいんですけど 気温的には優しくない日々が続いておりますね。

庚申窯のある福智町あがの の天気は向こう1週間晴れっぱなしで気温も高止まりしてるような状態ですけど、

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↑こうやって見たら32度くらいなのでそれほど暑いわけじゃなくて、まあ昔は30度超える日なんてそんなになかったよ って年輩の方から聞きますけど、明日の気温を調べて見たら37度とか39度とかのところもあって、

そんで都市部だとコンクリートジャングルが熱を取り込んでしまうから体感温度ではかなり差があるだろうなと思います。


今日庚申窯に来た方から風鈴があるかどうか尋ねられたみたいで、何年か前に作った焼き物の風鈴がストックから出されてまして、絵的にも気温的にもぴったりなのでいくつか軒先に吊るして、音も陶器製にしては わりかし高い音が出てて、結構ちゃんと作っておるなあと思いました。

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風鈴の動画


最初の方に作った風鈴がこんな感じで↓

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その翌年くらいに作ったのがコレなんですけど↓

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改良点としては、下の風鈴に使った土の方が同じ温度で焼いた際に、より固く焼き締まる 半磁器みたいな土で、そのため音が高く、風鈴本体を吊すヒモと 舌(ぜつ:風鈴の内部にぶら下がってるやつ)を吊すヒモの固さを変えてより音が鳴りやすいように、

またヒモが振動(音)を吸収しすぎないように、ヒモの結ぶところを上に出していて、釉薬を貫入(かんにゅう:細かいひび割れのこと)が入らないようにうすがけしているんですけど、今 音を聞いて見たら下の風鈴の方が確実にいい音というわけでもなくて、好みの問題だなあと思うので それなら簡単に作れる上の方がいいわよねえと思いました。

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なんで風鈴を作ったのかというと、前にあがの焼が夏の時期に風鈴を作ってたことがあったんですけど、その時に他の人が作った風鈴の音を聞いて、全然音が響いてなかったので ちゃんと作ったら陶器でもいい音になるんと違うの、と色々風鈴の構造を調べて作ったんですけど、

陶器が風鈴に向かない理由は多孔性にありまして、多孔性というのはその物質の中に細かい空洞がいっぱい空いているというやつで、炭とか発泡スチロールとか思い浮かべていただけるといいんですけど、この空洞が振動(音)を遮るので、音が響きにくいんですよね。


だから素材的には磁器やガラスのような、穴の空いてない物の方がよくて、南部鉄器の風鈴なんかは もう全然響きが違うんですけど、陶器では頑張って音を響かすように作っても 磁器やガラス製のものにやや劣るくらいの音色で、

それらとの差別化には見た目が大事になってきますが、釉薬をいい色で出そうと思ったら厚くかける必要があって、厚みが増すと音は低くなるし、ほんでこの釉薬も多孔性物質ですから音が響かなくなるんですよね。

というわけで陶器で作る意義が薄いなと思ったので風鈴は作らなくなったんですけど、今なら石膏型で原型作れるから 薄く均一にって形を簡単に作れるし、鋳込みで作るならカオリンが使えるので、カオリンはかなり固く焼き締まりますし、絵具で彩色すれば色合いのパターンもいくらでも作れるので、今だったらまた違った風鈴を作れるかもしれないですね。機会があれば作るかもしれないです。

901のコピー

↑カオリンと絵具の組み合わせ


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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目