2020/09/01 10:50

9月1日 晴れ

本日のBGM Brian Eno - 1/1(Music for Airport)

子猫〜44日目〜

今 飛行場におりまして、北九州空港なんですけど今から東京に行くわけで、そのための荷造りを昨日してたのですが 私は持ち歩く荷物はリュック一つまでじゃないと嫌だという性格でございまして、

一つであればリュックもどんだけデカくてもいいんですけど、どれだけちっちゃくても2つとかになるとすごく嫌で、手提げ袋も持ち歩きたくなくて、

画像1

てことで荷物はこのバッグだけなんですけど、今回東京で 夜ほとんど誰とも会わないので大変な有閑が予想されまして、色々と電子上の作業も溜まっていることからノートパソコンを持ってきましたところ、いくら薄くなったとはいえ、パソコンを保護するケースがそこそこ厚みがあるので えらいかさばって、

さらに くろつる屋のインスタグラムの動画を撮ってくれているカメラマンのA氏によって、「これでなんか撮ってこいや」と渡されたビデオカメラとバッテリーと電源コードも小型とはいえ普段持たない物だからかさばるし、

そのほか事前に発送した荷物に間に合わなかった焼き物とか、入れ忘れてた展示用の紙箱とかを詰め込んでたらバッグの許容量を完全にオーバーしてしまいまして、
しょうがねえからってんで予備の服とか、冷房効きすぎな電車に乗った際に上から羽織る的なやつとか、

いつもこのカバンに入れっぱなしの、旅行に必要そうなこまごまとしたもの、絆創膏とか、水に流せるティッシュとか、大小様々なビニール袋とか、洗濯物を干すための紐とか、綿棒とか腹痛薬とか、一つ一つはちっちゃいんですけど これらがまとまると結構な量でして、

いつも入れっぱなしだけど、よく考えたら こんなものはもっと文化の異なる 若干サバイバル度の高めな土地でのみ必要な物であって、すぐにコンビニのある東京では全部いらねえぜ!ていうか綿棒めちゃくちゃ入っとんなあ!たしかに綿棒って海外では意外とないけども!

ってな感じで大西洋横断前のリンドバーグのように あれもいらんこれもいらんと切り捨てて、いらない物をたくさん排除していく過程で断捨離ハイとでもいうような状態に入りまして、

もっと捨てよう もっと不便になろうと、ある種のストイックさが顔を出して、その結果としてバッグのスペースに若干の余裕さえ出てきたんですけど、

このようにしてミニマリストたちは物を排除することによって選択肢を狭め、不自由を得ることによって自分の輪郭を確認して、そのストイックさ、求道性、合理性の追求による自己の利発さみたいなものに酔っているのかと思いました。

ちなみにカメラマンのA氏はミニマリストが大嫌いでして、本人は角が立つのを嫌がって明言を避けておりますので私が代わりに宣言しておきます。そんなA氏からビデオカメラを渡された時にお土産よろしくと言われたので、物質主義者のA氏にはいい具合にいらない物を買ってあげたいと思いました。

という風に書いておけば さもA氏がミニマリストのことを悪く言っているような感じになって、私の角が丸くなりはせんだろうかと思いました。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目