2020/09/07 12:14

本日のBGM Emilie Simon - Désert

9月7日 くもりと風


台風も通り過ぎたみたいで、植木鉢などがいくらか割れたものの それ以外は目立った被害もありませんでした たぶん。まだ吹き戻しの風が強くて たまに停電したりはしてるんですけど

さすがに昨日の夜中は風が強くて、ずっと悲鳴のような風の音が鳴っていて、老朽化してる庚申窯の建物もミシミシ言ってて、不慣れな方だったら不安で寝てられないような状況だったんですけど、

やはり慣れというのは強いものであり同時に怖いもので、このくらいの風の音なら問題ないわ たぶん、と昨日もたっぷり長時間寝ておりました。でも風の音が一瞬激しくなったりすると目が覚めるので、風の音に目覚めさせられるのは ちょいとシャクなので わたくし珠玉の快眠おやすみBGMをスピーカーから流し、

風の音と 音楽による熟睡妨害の結果、昨日の夜は半覚醒状態の睡眠で、夢うつつな楽しい時間を過ごしておりました。


私はよく夢を見る方なんですけど、怖い話とかで金縛りであるとか、目が覚めたら知らない人が入ってこようとしてるとか、枕元で知ってるはずの人が奇怪な行動をするとか ああいうのは ほとんど半覚醒状態で見てる夢だと思っておりまして、

ていうのも その手のホラーな状況の、現実と区別のつかない夢を 私はバンバン見るたちでして、自分の寝てる状況と部屋の再現も抜かりない夢を昨日も見ているので、怖い話をしてくれる人の体験談を聞く時も

「この間金縛りにあって」とか「目が覚めたら〇〇くんが部屋に入ってきて、でもなんか本人じゃないような気がして」とか そういう起き抜けの状況での体験だと、あ、この人夢の話をしてはるわ、と思うのですが、

夢がホラー体験談と化すには 目覚めのタイミングが重要なんじゃないかと思いまして、私のように静かに1人で起きてしまうと「えっぐい夢やな〜最高やで〜」となってしまうところ、

例えば同居人がいる場合、自分の室内と同居人を再現した夢を見てる最中に、突然 同居人に起こされたりすると夢が体験にすり変わってしまったりするのかしら。

などと言ってると私は怖い話とか恐怖体験を非科学的だとバカにしてると思われるかもしれませんが、わたくし怖い話は好きでして、何なら畏敬の念もあるから実際の恐怖的なスポットとか心霊的な現象はむしろ苦手ですらあるのですが、

それは科学や理屈では解明できない現象が本当にあって欲しいという願望が強いために、現状の科学や理屈で反論できてしまうものに対して「ちょっと話の詰めが甘いんでないかい」と審査がカラい 渋客になってしまうのです。私みたいなのが一番ロマンチストなのです たぶん。

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それと怖い話は 話の構造として良くできているなあと思いまして、大体が短くまとまっているし、期待の裏切りが心地よいわけですよね。おなじみのパターンかなと思わせといて、「ええ!そっちの方が実は!?」とか「ええ!結局 人間が怖いって話ぃ!?」とか。

怖い話のパターンを知ってるからこそ引っかかってしまうような怖い話を聞いていると、ついつい私は「よう作ってはるわ〜」とびっくりの次に感心がきてしまって、きっと この話を作ってる人は怖い話が相当好きなんだろうな〜と 怖い話愛を感じてほっこりとすらしてしまうのですが、

恐怖体験で言えばこの手元にあるアイフォーンが不意をついて鳴らす緊急速報でして、つい今し方も突然鳴り響いてビクッとしてしまいまして、こちらの方がよほど心臓に悪いような気がします。もっと緩やかな音の鳴らし方にしてくれればいいのに。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目