2020/09/09 07:10

本日のBGM 和田光司 - Butter-Fly

台風が空気をかき回してくれたおかげなのか どうも涼しくなったようで、日中以外は大変に過ごしやすい気候になってきました。特に最近は夜明けごろの時間帯も起きているので、日が昇る前は なんなら肌寒いくらいでして、日が昇る時間が遅くなったこともありますけど、ここ数日でずいぶん秋な感じになっております。

でも昼間に日が照っていると相変わらず暑いので、9月も夏 って感じしますけど、日中以外の時間ではもう秋なんですなあ。それで今まで秋短えと感じてたのかしら。10月から秋だと認識してたら すぐ冬が来やがりますものね。


今回の台風は勢力が強かったみたいで、台風への防御策として色々しち面倒なことをせねばならず、実際に被害もあるので 台風が嫌いだ という人は多いと思うんですけど、

人間からすれば台風はあんまりいいことはありませんが、ああやって台風が発生すると海の水はかき混ぜられて、表面の海水が深層の海水に混ざることで深海へ酸素を届けることになり、

深層の海水が表面の海水に混ざると海水温を下げることになるので、台風はそれぞれの海の生態系を維持するのに欠かせないものになります。サンゴなんかは台風がないと水が暖かくなり過ぎて死んでしまったりするので、地球の気温と水分量の偏りをなくして、フラットに戻してくれるのが台風であって、

そのフラットに戻すという作用が、文明を構築している人間には困ることが多いということなんでしょうね。

でも生態系の崩壊は やはり長期的に見れば人間にも悪影響が出てきますので、台風は人間にとってもなくてはならないんだと思います。 と 踏まえた上で やっぱりうっとおしいです。ええ。そんな簡単には気を許しません。


人間以外で台風によって困る生き物は何かしら と考えたら 虫なんかは かなり吹き飛ばされてしまうと思うんですけど、今日工房の前にごっつい ちょうちょが飛んでまして、盛んにペチュニアの蜜を吸っていたんですけど こやつの羽がボロボロで  歴戦の猛者感がありまして、

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もしかしたら今回の台風で南の海から遥々やってきたのでは!と台風旅行のロマンに胸をときめかせたのですが、この蝶はナガサキアゲハという日本に普通にいる蝶だそうで、

なーんだがっかり☆と思ったのですが この蝶は東南アジアに広く分布していて、日本でも昔は九州より南にしかいなかったのが 今では西日本以南にいるそうで、

となるとこいつは年々領土を拡大しとるわけで、気候が温暖化してきたってこともありますが、海を越えて移動するのに役立ったのはやっぱり台風なんじゃないかしら。

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生物の目的が多様性と広範囲での繁栄だとしたら 虫にも台風は役立っちまってますねい。ちなみに庚申窯には鳥が多いせいなのか大きい蝶はあまり見かけないので この人↑も台風でどっかから飛んできたやつだと思います。


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それと大きい蛾もいまして、こちらはシンジュサンという蛾だそうですが、とてもむくむくで愛らしいです。こんなにむくむくなのに何も食べずに2週間くらいで死ぬそうですが、彼らにとっては芋虫時代がメインだとしても 成虫の派手さと寿命の短さは「何でそうなったの?」というものが多いですよね。

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私は基本的にシンプルなものが好きで、焼き物もなるべく一つのイメージで見れる色を意識して作っているのですが、最近は模様とか配色のパターンとかで かっこいいものが私でも作れるかもしれない という気がしてきておりまして、そうなると このシンジュサンの翅の模様などは大いに参考になると思います。

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しかしこれは どういうことで こんな模様になったんでしょうか。翅の模様でよくあるのはフクロウの顔に見えるとかですけど、あれは小型の鳥に狙われた場合「わいはフクロウでっせ!」と威嚇することで有効になるわけで、

この人たちくらい大きくなると フクロウにビビらない鳥にも狙われるわけだから それで外側が蛇っぽくなってんのかしら。ヨナグニサンの翅の模様とかもヘビ感強いですよね。あるいは鳥類は4原色で物を見ているから、それで見るとこいつも もっと違った見え方になるのかしら。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目