本日のBGM　Sonny Boy Williamson　-　Good Morning School Girl

親知らずを抜いてもらおうってことで歯医者に行きまして、歯医者は久しぶりで、というかあんまり行ったことがないので わからないことがありまして、口を開けてその中に器具を突っ込まれている時に質問された場合にはどうやって答えたらいいのでしょうか。

これは何ですの、答えられないことが前提での質問ってことでリアクションなしで構わないってやつなのでしょうか？それとも歯医者通ならではの小粋な返答の仕方があるのかしら。

歯医者通い歴が長くなると 先生とのノンバーバルな意思疎通ができるようになり、ハンドサインや眉毛の上げ下げで 心の内を相手に伝えることができるというのでしょうか。あるいはあれですのん？目で語るってやつ？

でも目で語るって 恥ずかしがりな私は そもそもあまり目を見ずに喋るようなところがあるので、そのような技術を身につけず ついぞ今まで生きてきてしまったツケが こんなところに回ってきてるということでしょうか。

口頭による返答以外のすべを思い付けなかった私は、質問されて、口の中をガチャガチャされて、器具が外されてから、はい と答える時間差戦法をとったのだけど やっぱりそれならただ聴いてるだけでもよかったのかしら。

いや、でもそうしたら こいつは礼儀のなってねえやつだ ってことで、元ナチスの歯医者がマラソン好きの男にやったように ドリルで歯に穴を開けられたりするんじゃないだろうか。そういえば最近わたし走ってるし。

もうひとつわからないのは舌の位置でして、わたしの好奇心旺盛なベロは口の中に入ってきたものを触りにいくという癖がどうもあるようでして、それに気づいたのは１０数年ぶりに行った歯医者で歯石を取ってもらっていた時に「おいてめえ危ねえな！なんで舌を当てにくるんだ！」と歯科衛生士さんに怒られまして、

無自覚だったわたしは　え！？なんのこと！？　と大変に驚いて、どうも舌がわたしの意識外で自由奔放に動き回っていると知って、それ以来歯医者では必死で舌を口腔底に押さえつけて口の中を見てもらってるのですが、

気を緩めるとすぐさま動き始める舌を動かさないためには 体に力を入れる必要があってですね、その体に力が入っている様が まるで怖がっているみたいなんですけど、私が怖がっているのは あのチュイイイインってやつに勝手に触りにいく探究心に富んだ私の舌でして、舌ってこんなに思い通りにならないのねと思っているんですけど皆さんの舌はそんなことないのかしら。

そして今回の検診で さあ親知らずを抜きましょ ってなると思ってたら、レントゲンを撮ったところ２年前と歯の形が変わってないし、２年前の時は６年前と変わってないし、歯に悪いところもないからこのままでオッケー！と言われまして、

でも親知らずって抜いた方がいいんじゃないですか？　いや なんともなってないし様子見ってことで。　でもいずれ悪くなりますよね？　ちゃんと今まで通り歯磨きしてたらいいよ。　ってことで親知らずの抜歯はまたしてもしないことになりました。そういえば毎回これで終わっていますな。

もしかして親知らずって不良生徒みたいなものなのかしら。クラス３２人中４人はいる不良みたいな。この不良たちは悪さをすると思われてるけど、でも根っからの悪いやつじゃなくて、

確かに生まれは恵まれなかったし グレやすい人たちではあるけれど、でも実はクラスの環境が良くないせいで この４人の不良が真っ先に非行に走るのであって、クラスのメンバーや教師も悪いのに、それをこのセンシティブな４人だけが さも悪者のように仕立て上げられて

こいつらは腐ったみかんだ！腐ったみかんが一つでもあると他のみかんもダメになるのだあああ！ っつって退学させられてしまう人たちなのかしら。

そう思うとなかなか憎めん奴らじゃと思いまして、なるべく彼らを交えたフルメンバーでの学園生活を存続できるよう、わたしが起きてる時間の３割くらいの時間 噛んでいるガムのストックがなくなってきてたので箱買いで補充しました。

高鶴裕太　コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目