2020/09/25 10:07
本日のBGM Real Estate - Serve The Song
今このお皿、サーブプレートを作ってまして、サーブプレートというのは私の造語になるのか、サーブプレートで調べてみたら「このまな板は食材をカットして そのままテーブルにサーブできちゃう♪」的な文言しか出てこないんですけど、
このお皿の名前は「サーブ」と言いまして、スウェーデンの自動車ではなく「提供する」という意味の方で、
持ち運びしやすく、料理を出すときも 器を回収する時もスマートな仕草で ってことで作った、1箇所だけ持ち手になる部分が膨らんでいるシンプルなお皿です。シンプルゆえにレストラン向けのお皿ですね。
今作ってるサーブのお皿が乾燥したのでサンドペーパーで削っているのですが、こういうシンプルな形のやつは やはり細部が大事でして、細かいところを きちんとしてないと ただでさえ誰でも作れる手抜きっぽい形なので ペーパー仕上げはわりかし丁寧にやっています。
どこを丁寧にやるかというと この↑端っこのところ、お皿のふちの部分でして、今回のはふちの角を丸く削ります。
サーブのお皿は持ち運びという性質上 普段はかなり薄く作っているんですけど、今作っているお皿はメインの一品用のお皿ということなので、薄手の作りよりは厚みがあった方が重厚感があって良いということで厚手の作りにしています。
まずは裏面をざっと削ります。裏面はろくろで中をくりぬいたときに ある程度きれいにしているのでペーパーがけはそんなにしません。くりぬいているのは軽くするためでして、もっというなら軽さを錯覚させるためと言いますか、重心を散らすようなイメージなんですけど、真ん中にへそみたいになってるのは焼いたときに中心が歪まないためですね。
ふちの削りは右側の荒いサンドペーパー↑で削ります。#40のやつ。40のやつで外周をなぞってきれいな円にして、それからお皿の裏側から角を潰すように斜めに削ります↓
わかりにくいけどこんな感じです↓
お皿の表側からも同様に角を潰すよう削ったら今度は目の細かいサンドペーパーでカクカクしたふちをまるーんとして行きます。
それでこんな感じです↓
比べてみるとこう↓
今回作ってるサーブは真っ白な色になる予定なので、ふちにエッジを持たせるよりは丸くした方が 厚みも相まって 迫力と柔らかさが出る気がしたのでこんな感じにしてます。
でも持ち手の部分は あんまり丸くしすぎず少し角を残しています↓
あとは素焼き〜くすりかけ〜本焼き で完成なんですけど、白色を出す釉薬の特性によっては2回本焼きするかもしれないですね。どんな感じになるか楽しみです。
ちなみに ふちが丸いとこんな感じです↓
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目