2020/09/30 09:36
本日のBGM Men I Trust - Numb
ミナモのお皿作りその3です。
水面を模した器なので、魚介の料理で使っていただけることが多いのですが、それでも料理をされる方それぞれで お皿とそれにマッチする料理のイメージは異なるみたいで、肉料理だったり、デザートだったり色々使っていただいているみたいです。
ちなみに今回作るお皿はモンブラン用になるそうで、水色の釉薬も色温度 高めのやつを使用します↓
前回の続きで それぞれ違う種類の粘土を揉み込んで、
一回分の分量を切り取ります。一応混ぜる比率は左から2:3:3になっていますが、厳密に測ってはいないので毎回微妙に差があります。
もし冒頭の写真のように青を強く出したい時は比率が2:3:4と、赤土多めの配合になります。青を深くするには鉄分が必要なのです。まあ鉄分を表面に吹きかけてから、釉薬をかけてもいいんですけど。
もっというならこの土にそれぞれ酸化鉄とかコバルトとかクロムとかを混ぜて焼けば、その鉱物の成分が釉薬と反応して より複雑な色味を出すことができるかもしれません。
例えばクロムと錫を合わせた釉薬を 酸化で焼くとピンクになるので、土の模様に沿って、ピンクと水色がそれぞれ発色した器とかできるかもしれません。
釉薬の発色は 組み合わせでいろいろなパターンができるので、この辺は技術どうこうよりも 自分の気にいる組み合わせを発見できるかどうかという根気の問題になってきます。なので実験好きな人が釉薬作りには向いているでしょうね。
さて切った3つの土を重ねまして、
伸ばしまして、
畳みまして、
また伸ばしまして、
また畳みまして、という風に繰り返していきます。
これを繰り返せば繰り返すほど混ざり具合はより密になりますが、折りたたむので重なる順番が規則的になってしまうため、より複雑にしたい場合は薄くスライスしてからランダムに重ねていった方がいいと思います。
ある程度折り畳んだら今度はブロックにしまして、
半分に割ります。そこそこいい感じに混ざっておりますね。わかりにくいですがグレーの部分は2色あって、焼き上がると青っぽいグレーの部分は白に、緑っぽいグレーは薄茶色になります。赤土は焦げ茶色に。
こんな風↑に鏡開きにしたら模様が左右対象になるので、そのままペアのお皿として作ってもいいかもしれないですね。ロールシャッハテストみたいで。
模様が表に出てきてないとローラーで引き伸ばしてもいい感じになりませんので、割った断面が外側に来るようそれぞれ丸めて、
2つを合体させます。この辺りの手順は、ローラーで伸ばした時の模様の出具合が、より不規則になるようにするためのものです。
合体させた粘土の塊は切り取る型紙の幅より広く変形させて粘土の準備は終了です。次はローラーですね。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目