2020/10/02 10:56

本日のBGM Sammy Myers - Sleeping in the Ground


「自分がもう1人いたらいいのに」と考えることってあると思うんですけど、私の場合 焼き物を作るコウヅルユウタAと、その他のことをやるコウヅルユウタBの2人体制だったらいいのにと思うことがありまして、

取引先とのやりとりや写真撮影や書類作りなど、そういったことはあんまり得意ではないんですけど、庚申窯の人たちを見渡すとどうも私がやるしかないっぽいのでやっておるのですが、私の場合 特に連絡するということが大変苦手でして、

できるなら電話などせずに生きていたいと思っておるんですけど、かといってメールでのやりとりも苦手で、多分それは自分の中のチャンネルの入れ替えが負担になっているんじゃないかなあと思いまして、

つまり人格Aは もの作りには向いているんだけど その分 社会性が著しく欠落しておりまして、でもそれだと問題があるので それなりに常識を合わせもった人格Bが登場して もの作り以外の 人との交流などを担当してくれるんですけど、時間の比率で言ってもAがベースで生きているのでBの状態に不慣れでございまして、

例えるなら普段は部屋着でのんべんだらりと過ごしてるところから、髭を剃って髪を整えてスーツを着て香水をつけて外出するかのようなものでして、一旦スーツを着込んでしまえば ずっとその状態でいるのは問題ないんですけど、

社交が終われば スーツを脱いでまた普段着に戻るわけで、ってしてたらまた来客があってまたスーツに着替えて っていうこの億劫さ、

わたしの場合2つの人格に落差が結構あるというか、自分の中でのAとBとのチャンネルを入れ替えるための労力が大きいタイプの人間みたいです。要するに世間よりも自分の価値観が強いタイプってことですね。


だから根底には なんでこんなスーツとか着なあかんねん。ネクタイて!なにこれ?いる!?なんかのシンボルなん!? っていう反発があるんでしょうね。かと言ってスーツ自体は普通に好きなので ちゃんと着る機会があれば楽しいんですけど、多分創作と相性が悪いんでしょうね。スーツで土こねたり似合いませんものね。

ルールや常識への反発が 人格Bでの疲れになるんでしょうけど、反発する気持ちがものを作る原動力になったりするので、あるいは適度にスーツを着ることは創作意欲が高まっていいのかもしれない、と自分に言い聞かせてとりあえず納得するのでした。


自分が2人いたらと考えた時に、Aに何をやらせて、Bに何をやらせて、自分の主観はAとBどっちにあるのか、というので自分の本質が少しわかるかもしれません。


DSC05102のコピー


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目