2020/10/03 10:16

本日のBGM Dre'es - Warm (feat. Mia)


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新聞に福岡県内の基準地価というのが出てて、祖母から切り抜きをもらったんですけど、これによると住宅地の一位が 福岡市中央区御所が谷2の40 で 1m2あたり40万3000円、

商業地の一位が中央区天神1の12の3 天神木村屋ビルで1m2あたり850万円だそうです。相場がよくわかってないんですけど 個人的な感覚としてはめちゃ高いですね。

不動産の表示に関する公正競争規約 によると、1畳は1.62m2ということらしいので、8畳分の地価なら御所が谷が522万くらいで、木村屋ビルでは1億1016万ということになります。うーむなかなかなお値段で。

東京はもっと高いんでしょうけどもね、ちなみに福岡県田川郡福智町上野の地価は1m2あたり6,100円でした。仮に522万円あったら264坪ほど買えます。いやはや大変な格差ですね。


土地の価格を見ると価格の正体がよく見えると言いますか、希少なものほど値段は上がるわけですけど、商業地では実際にお金を生み出す機能があるということで需要が高くなって値段が上がるのはわかりますが、

コロナウイルスによって外出が制限されて、それと引き換えにネット上での買い物がより一層充実したわけで、もし今後 電子上の世界がより豊かに より魅力的になって、ネットに親和性のある世代の人たちが ほとんどの時間をネット上で過ごすようになったとしたら 土地の価格と言うのはそれでも下がらないのかしら。


コロナウイルスによるリモートワークで発覚したことの一つに 妖精さんの存在 というのがあるそうで、

それは企業の中間管理職の人を指すそうですが、今まで何か仕事してる風だったけど、リモートワークになって その人の役割がすっぽりなくなったのに 全然仕事に支障がなかった、つまり彼らは妖精さんのような まぼろしの存在だったのだなあ という事だそうで、

その人たちの役割は かつての社会では連絡係であったり まとめ役であったり、会社の潤滑油的に必要であったけど、技術の発展によって いつの間にか その役割は必要ではなくなっていたのが、これまでの慣習にのっとって 役職だけが名残として残り続けていたみたいな。

この手の話を聞くと思い出すのが 小学生の健康診断における座高も 全然意味がなかったのに 何十年もやってしまっていて、それはひとえに「昔からやってきたことだから」ということなんですけど、

どちらにも通じることは みんなで共謀して幻想を作り上げていて、それは無関心と思考停止によって まぼろしを生み出していたのではないかしら。


土地の価格に戻って、地価が高いというのも同じようなものじゃないかしらと思いまして、値段が高いから値段が高いみたいな。今後 実際の土地の機能として価値が低くなっても、名残が残り続けて高値が続いたりするんじゃないかしら。

というわけで 伝統は大事だけど検証も大事よねって事で、実際に価値のあるものを作っていけたらいいなと思う伝統工芸従事者でした。わたし的には良質な粘土と水源のある土地に魅力を感じます。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目