2020/10/06 11:57

本日のBGM Charles Mingus - Tijuana Gift Shop


昨日は朝の5時から酒を飲んでいつの間にか寝て、10時前に起きてまた酒を飲んで またいつの間にか寝て、日が暮れた頃に目覚めるという大変に人間らしい生活を送っておったんですけど、

酔っ払っている間は腹痛のことも忘れて、これ治ったんじゃね と大変に上機嫌だったのですが、夕方に目覚めたら酔いは覚めた一方 腹はまだ痛くて、何かやろうにもやる気が起きない、酒もぼんやり残っててかったるい状態、

動きたくないけれど しかし散々眠ったから全然眠くないし、散々酒も飲んだから全然飲みたくもなくて、あれ、なんかすーんとしちゃってる、こんなに自由なのに何もやる事がねえ。


こんな時のために部屋の隅には読んでない本がたくさん積まれているのですが、本を読むのもだるい。酒を飲んだのはアルコールでなんか胃の中が除菌されんかなという思惑だったのですが、サバなどに寄生するアニサキスとかはアルコールではびくともしないそうで、

サバの刺身も食ってたから それだったらやだなあと思いつつ、そういえば昔友達に聞いた話で、有名な坊さんが死んだ後 腐らないように漆を飲んだみたいなことを言っておったなあと思い出して、

あれはマジだったのかしらと気になってスマートフォンで検索して、すると漆を飲むというのは即身仏になるためのステップの一つだそうで、

即身仏ちゅうのは 坊さんが食事の量をどんどん減らして 体を骨と皮だけの状態にして、それから地下3メートルに石室を作ってそこに空気穴だけ開けて蓋をして、

弟子が地上から鈴をならすと、地下の坊さんも鈴を鳴らし返すことで生存を確認して、鈴がならなくなったら空気穴も塞がれて、3年くらい置いておいてミイラになるっていう大変にハードな往生の仕方なんですけど、

これが高温多湿な日本では失敗する事が多かったそうで、とにかく湿度があると細菌が繁殖しやすいもんですから きれいに乾く前に腐敗して、石室を開けてもミイラ化してない事が多かったそうです。

それで即身仏が安置されてる寺の一覧を見たら山形県と新潟県に多くて、それはやっぱり気候が即身仏作りにちょうどよかったのかしら。

で 漆を飲むのは断食で体の脂肪や筋肉を極限まで取り去って、その上で漆を薄めた茶を飲む事で吐いて、さらに体の水分を抜いていたそうですけど、飲んでも死なない程度では漆による防腐効果も期待できないみたいです。


チベットとかの即身仏は死んだ後にミイラ化させるのに対して、多湿な環境の日本では生前に自分の意思で肉を削ぎ落としていかないとミイラになれないので、その精神性というか信仰の深さというのはとんでもねえなと思って、それは尊敬もされるだろうなと思いつつ 腹が痛い時だけ神や仏にすがりたくなる私でした。

でもタイムの酒を飲んだからか体からハーブっぽい匂いはしますな。漆もその程度には効果あんのかしら。すきっ腹に飲んでそれほど二日酔いもしてないから結構いい酒だったのかもです。

画像1


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目