2020/10/11 11:30
本日のBGM Chick Corea · Gary Burton - No Mystery
ミナモのお皿作りその5です。
練り込んだ粘土をローラーで伸ばすところですね。
これがローラーです↓ 粘土を伸ばすには手動のローラーか、または電動式のローラーか、あるいはプレス機みたいなのもありますけど、
電動式はサイズが大きくなるほど高くなるし、プレスのやつはコンクリの地面と基盤の設置から導入しなきゃいけないから、一番安価に使えるのが この手動のやつですね。壊れても直せるし。
これに練り込んだ粘土を置いて、
ハンドルを手で回すと押しつぶされて好きな厚みに伸ばすことができます。
これをだんだん厚みを薄くして繰り返し伸ばしていきます。
もっと薄く
まだまだいける
ってことでこれくらいで一旦オーケーですね。
こんな風に段階を踏まずに、いきなりこの厚みにしようとすると 粘土に無理な力が加わって、乾く途中や、焼いたりしてる時に元に戻ろうとするので、成形後に変形しやすくなります。特に薄くするほど変形しやすいですね。
それと布で挟み込んで伸ばしているので、最初から薄くやろうとすると この布に粘土が強い力で押し付けられるので、布に粘土が がっつり吸着して、粘土が剥がれなくなります。
その痕跡が最初のローラーのこれ↓でして、
親父殿はローラー作業を極力やらずに生きていこうと決めている人なので、いざこれが必要になった時に 作業工程を最小限でやろうとして、その結果↑このように粘土をたっぷり 布に ひっつけてくれてやがったのです。
しょうがねえから使う前にできる限り削り落としましたが、布なのであんまりガシガシやっちゃうと破れそうだったから完全には落としきれず、
布についた粘土の痕跡が、新しく伸ばした粘土にこのように刻印されるのでした↓
今回のお皿は割とラフな作りなので問題ないんですけど、でもこのテクニークを応用すれば、布の部分に樹脂的なもので模様を描いて、ローラーをかければ 好きな模様を簡単に印刷することができますよね。
粘土を生地みたいに考えたら、そんな風に細かい模様を描いた布を何パターンか作っておいて、いろんな模様の粘土板を組み合わせる、キルト的な作風もいいかもしれないですね。
粘土自体に着色すれば色の差も出てわかりやすいし、小さなものの組み合わせで大きく作るというのは好きですね。途中で心が折れてしまいそうですが。
ミナモのお皿作り、また続きます
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目