2020/10/15 09:23

本日のBGM Rocketman - Lost Film


棚足の削りの続きですが、こんな風↓に並べた足たちの

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こういう凸凹↓を

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ダイヤモンドカッターのグラインダーで削って、棚板と接する面を なるべく滑らかに整えます。

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横倒しの状態だとこんな感じ↑ですが、立てた状態の棚足を削る時はこんな風に↓ゴムで動かないようにして、

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重しで囲って動かないようにしてから まとめて削ります。この棚足↓たち めっちゃ汚いんですけど、これは大きい窯で焼く時に、一つの棚足で2枚の棚板を支える時なんかに 大抵どっちかの棚板が高くて板と足のあいだに隙間が開くから、

その時に足と板の間に 粘土を挟んで高さを揃えるんですけど、その際の粘土を除去せずに使い続けた成れの果てですね。どうせやるならってことで まとめて掃除しました。

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足を綺麗にしたので板の方も。削るのは裏面の、足が当たる部分にくっついたアルミナの塊ですね。棚足に塗ったアルミナがくっついちゃうんでしょうな。

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板は足3つで支えるのですが、同じ向きでずっと使ってたら歪みやすくなるので、毎回向きを変えて使います。なので跡がつくのは裏面の6箇所ですね。

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人によっては棚板が歪んできたら上下ひっくり返して使う人もいます。その場合 板の表側に塗ってあったアルミナを綺麗に除去しないと、裏返して使う時に 下の段の焼き物に降り注いでしまうので、ひっくり返して使うのは大変にめんどくさいやり方です。アルミナは1,200度程度では融けないから、焼いてる時に焼き物につくと白い粒々になっちゃうんですよね。


そのアルミナを仕上げで足たちに塗っていきます。割れた棚板に置いて塗ってますね。塗った時にアルミナがこぼれても、棚板から払い落としたらまた使えますので。アルミナに混ぜられてるコーティング剤は焼いて固まるので、焼く前ならまた元の粉に戻ってくれます。

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アルミナを水で溶いて

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ハケ塗り

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アルミナは焼いた時に板と足がくっつかないようにするためのものですが、多少の凸凹も綺麗に埋めてくれます。でも塗りすぎたらポロポロ剥がれやすくなるので適量で。

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別の高さのやつも↓ 一つ一つの全部の面を綺麗にするわけじゃなくて、それぞれの高さで使う面だけを 必要な数だけ削りました。背が低い奴ほどたくさん必要になりますね。

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あとこの棚板の割れたやつ↓ これも高さを微調整する時にめちゃ使うので、綺麗にしましたが、これが一番削りにくかったですね。まとまらないものね。

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一応ゴム板の上で削ってみたものの、グラインダーの振動で浮き上がってしまうのか、動き回ってしまうのでした。まあこいつらは わざわざ削らなくても もう使わない棚板たちを新たに細かく割っちゃえばいいんですけどね。

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これも庚申窯の場合はハンマーでガンガン割って作るのですが、きっちりした人は既製品みたいに四角く切って作る人もいます。使い勝手は四角く作られたやつの方がいいんですけど、ちょっとそれはめんどいのでこのくらいで。このくらいやっときゃ十分でさあ。これで心置きなく新品の板も使えるぜい。

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この真っ直ぐさ。棚板はセーターのようなもので、使うほどにボロボロになっていきます。いつまでも真っ直ぐだったらいいのに。

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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目