2020/10/29 22:29

本日のBGM Bill Evans & Monica Zetterlund - Monicas vals


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前回の続きで透明秞作りですが、作るときは一緒に作った方が楽なので ついでに鉄赤とカオリンも ちっちゃいミルにかけました。

鉄赤は混ぜる種類が多いから なかなか面倒なやつですね。8種類くらい使うのかしら。だから鉄赤は窯元によってかなり色が違って、秘伝のレシピって感じです。まあどの釉薬もそうですけど。

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私も前に レストラン列車の車体の赤色に合わせた鉄赤釉を作るために10何種類か作って、その中で一番私にとって好みだったやつをメインで使っていますね。

鉄赤はどちらかというとデリケートな釉薬ですけど、でも結構でたらめに調合してもそれはそれで面白いものになるから なんでもOKな気もします。使い方次第というか。


さて十分に回したらミルを止めて、レンチで蓋のボルトをあけまして、

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次にこいつ↓を蓋の代わりに取り付けます。

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これ↑何なのかというと、ミルの中、ボールミルというだけあって 中には丸い石が大量に入っておりまして、これが回転のパゥワーで釉薬の原材料を砕いて、均等に混ぜてくれるというわけですが、

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そのまま混ぜた釉薬を出そうとしたら 石も出てきてしまうので 先ほどの器具でもって釉薬だけを通すというカラクリなのです。

取り付けた器具が下に来るようにして↓

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このレバーを開けると釉薬が出てきます↓

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今回作った量ではこの漬物用のバケツに収まりきらなかったので 余ったのは透明秞のストック用の大甕に移しておきました。


ちなみにちっこいミルには 石ではなくてアルミナでできたボールが入っています。釉薬を出すときはこんな感じで↓網を通しますね。

このアルミナのボールをですね、外に置いてたらカラスの野郎がクチバシに咥えてもっていきやがるんですよね。それも何回も。ゴルフボールとかもよく持って行っちゃうらしいですけど、

その理由もなんか珍しいから持って帰っちゃうという どうしようもねえ理由で、どうせなら何かに役立ててくれよ。他の巣の卵とこっそり入れ替えておくとか 玉落としでも興じてみるとか。

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こっち↑はカオリンですね。カオリンもまだ実験していて早く上手い使い方を見つけられるといいんですけど、なかなか難しいですね。だからこそやる価値があるのよ、なんて。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目