2020/10/30 22:12

本日のBGM Maria McKee - If Love Is A Red Dress 


前回作ってた鉄赤釉を試しで焼いてみたらなかなかいい色に焼けておりまして、どうやら調合はバッチリだったみたいです。

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失敗する可能性もあったのでどうなってもいいやつを焼きまして、この間 動画を撮りに来てたカメラマンの友人が「素材欲しいから今からなんか作りやがれ」というので作ったワニの上顎↓ですが、鉄赤が思いの外マッチして、これまた なかなかいい感じになっております。

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上顎だけで下顎とかはないんですよね。もうそういうんじゃないの。作るのがめんどくさかったとか そういうのですらないの。上顎なの。

ちなみに母が言うには鍵置きとかにいいんじゃねえかとのことでした。鉄赤のギラギラ感と作りがうまく噛み合っておるんじゃないでしょうか。

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こっち↓も同じように作った、よくわからんいつものオブジェですね。なんかグニグニしたもん貼り付けたら古代っぽい雰囲気になるかと思いまして。昔の窯跡とかにあえて埋めといて、いつか発掘されるのを待つという雅な遊びもできますね。

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そんな鉄赤の今回のメインはこちら↓の皿でして、直方体のシンプルな形なので色が大事だったんですけど、今回の鉄赤は うまくハマってくれたみたいです。

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側面の釉薬が流れてるところは金っぽくなりますね。

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鉄赤は強い光の下で見るとかなり綺麗ですね。まあどの釉薬もそうなんですけど、てことは屋外のモニュメントとかにもいいですよね。さっきの上顎とかね。無駄に意味深な感じで。

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窯出しは 灯油窯が朝には冷えてるので朝やるんですけど、最近工房に住み着いてる猫が窯の下から出てきました。電気窯のほうは最近ずっと焼いてるから、窯の下のスペースは常に暖かいポカポカスポットとなっております。

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ただ窯の周りをうろつくから煤まみれになってて最近すげえ汚ねえの。でもそれはそれでワイルドさが増していいかもしれない。

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先ほどの鉄赤の釉薬を作った時のテストサンプルも工房の片隅に置いてあるから こちらも同じく煤にまみれております。

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この中で特徴的なやつがいくつかありまして、例えばこれ↓なんかは化粧土をかけたところと かけてないところで色が全然変わるんですね。

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↑これをもう少し低い温度で焼いたのが下↓の写真で、化粧土を境に綺麗に色が分かれるから、例えば化粧土で模様を描いて 上からこの釉薬をかけて焼けば、その模様通りに釉薬が変化してくれるから かなり複雑な模様を表現できますよね。

作って以来全然使ってないけど、この釉薬 実はめちゃくちゃ使えるんじゃないかしら。幾何学的な模様とかが相性いいかもですね。暇になったら作ってみましょ。

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そんな感じで 釉薬についてよく知らないまま適当に調合したら たまたまできたやつが意外と良かったりするということで、他の鉄赤については次に続きます。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目