2020/11/03 21:06

本日のBGM Selah Jubilee Singers - Take My Hand Precious Lord


今日のお昼ごろ、保険屋の電話師から電話がかかってきて、疫病時代にうってつけの保険商品ができて それを宣伝しに うちの若いもんを寄越すから てめえのガラが空く日を教えろ といったことを丁寧な言葉遣いでおっしゃられて、

いつでも来るなら来やがれこのヤロー! と わたしも丁寧に返事したのですが、あちらから最後に、「本日はお休みのところ申し訳ございませんでした」と言われ、え?何が?と思いまして、

いや今日はたしか平日のはず。なぜそんなことを? いや待てよ、相手は保険屋だから私の職業のことも知っていて、「こいつは陶芸家なんぞという自称すれば資格もいらないという胡散臭い上に泥臭い商売をしてやがるから どうせ万年暇してるに違いない」ということで「お休みのところ申し訳〜」と皮肉を言われたのかしら。インシュランス ジョークなのかしら。


しかしあちらも客商売、そんな不行儀なアイロニーを言うはずがない。おそらく一流の保険屋たるもの利潤を上げ続けてこそ全体への奉仕になる 的な経営理念がありそうなので、つまるところ会社が損をしないための計算式が存在して、その計算のために必要な要素、

例えば私の職業や年齢、学歴などは言うに及ばず、持病の有無や海外渡航歴、カードの利用用途からメインにしているスーパーでの滞在時間、ファブリーズ派かリセッシュ派か、よく飲むエナジードリンクの銘柄から毎日ウサギにやる雑草の種類まで把握されていて、

それらの要素をもとに大変高度な仮想人生設計図が あちらの資料として整えられていて、その資料によると2020年の11月3日は おそらく暇しています。ということで「お休みのところ〜」ってことなのか!?

と 思いながら電話を切ってカレンダーを見たら 今日は祝日、文化の日ということだそうで、わたくし これを知らなかったわけではなくて、朝 予定の確認のためにカレンダーを見て「今日は文化の日なのか」と思っていたにもかかわらず 一切忘れてしまっていて、

どうやら私にとって祝日は、大安とか仏滅とかそれくらいの記号的な意味しか持たないようになってしまったらしく、休みが伴わない祝日というのは これほどまでに形骸化するのね と 感慨深い気持ちになりました。

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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目