2020/11/06 19:55

本日のBGM 河村順子 - かもめの水兵さん(作曲 河村光陽)


福岡県のKBCというテレビ局は毎週 福岡県内の各自治体を紹介するキャンペーンを2年前からしていて、今週は福智町が紹介されているんですけど、その中の一つで福智町は童謡の街だと紹介されておって、

ていうのも作曲家の河村光陽という人が福智町、かつての上野村の出身で、童謡を中心に良い曲をたくさん作ったからなんですけど、そのうちのいくつかは朝7時とか昼12時とかに福智町に鳴り響きまして、いわゆる時報ってやつですね。


それで取材にきてたリポーターの人が「12時になりました。福智町出身の作曲家 河村光陽が作曲した かもめの水兵さん のメロディーが町中に流れていますね」的なことを言っていたんですけど、

福智町の時報はたまに呪いの音楽みたいなのが流れてくる時がございまして、いつもは普通の音楽が流れるんですけど 何週間かに一回だけ「ビョ〜ビョ〜ビョ〜」という 聞いてる人が不安を抱かずにはいられない呪詛の旋律を奏でまして、

それが間の悪い事にテレビ局の収録中に 呪詛バージョンでのカモメの水兵さんが流れてしまっていて、リポーターの人は通常バーションを知らないわけですから 呪いの音楽に対して褒める方向でコメントをしてましたけど、なんというかなんとも言えない不思議な中継になっていました。これがシュルレアリスムというやつなのかしら。


ところで時報ってのは屋外で作業している人にとってはなかなか便利なもんで、時報という文化はかなり昔からあったそうですが、その時に使用したのは水時計だそうで、水時計ってのは国によって違うんですけど、

仕組みとしては底に小さい穴があいた容器に水を入れて、内側にメモリがあるので減っていく水位を見る事で時間を測っていたそうです。

古代エジプトのやつなんかは陶器でできてて、装飾なんかも良い感じなので、庭に置く焼き物として水時計というのも乙でいいかもしれないですね。屋外に置くものって、ただのオブジェではなく、何か用途があるということが、物がそこにあることを肯定的に捉えやすくなるような気がします。


スキャン-3

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目