2020/11/08 21:34

本日のBGM Mazzy Star - Unreflected


こないだ呉須でおちょこに字を書いてましたけど、焼き上がってみたらあんま良くなくてですね、なんか良くないんですよね。呉須が濃いめで 紺色に滲んでる時はまだ良かったんですけど、明るい青の呉須になると浮いてるというか、乗っかってるだけというか、わざわざ書きましたよ感があって、

たぶん今回使ったタイプの呉須は あんまり陶器、それも荒い土の地肌には合わなかったんでしょうね。素材の階層が違うと言うか、土も釉薬も天然なところに精製した調味料をかけた感じで お互いの質が離れてて調和してない感じ、

それはアーバンギャルドな作品風だったら あえてのミスマッチ演出ってことで逆に良かったりするけど、普通の食器としては馴染むものじゃないから、器が一つになってなくて、それが浮いてるとか 表面に乗っかってるだけっていう印象になったんでしょうね。


てことで呉須で文字を書いたおちょこたちは 上から別の濃い釉薬をかけて文字を消して焼き直しまして、今度は掻き落としで作り直す事にしました。君子は豹変するのです。

掻き落としは上野焼的にも伝統技法ですし、土を彫って文字入れるわけですから一体感もバッチリなんじゃないかなと。あとは天然の透明秞で うまく文字の部分に釉だまりが作れたらいいんですけど、まあとりあえずやってみてまた考えましょう。

やっぱり文字というより 模様として器に馴染ませたいんですよね。もう読む気にもならないような さりげなさが好きですね。 


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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目