2020/11/19 20:26

本日のBGM The Jimi Hendrix Experience - Castles Made Of Sand


今日はめんどくせえ作業の一つ「砂作り」をしてました。砂作りっていうのは、粘土を作る容器の底の方に段々と砂や石が溜まるんですけど、その石や砂を取り出して、乾燥させて、また網で濾して、砂だけを取り出す作業なのです。今日の作業は乾いた砂を 篩(ふるい)にかけるところから。

篩↓

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篩に乾いた砂を入れて ひたすらフリフリして細かい砂を取り出すのです。多分網目は25くらいですね。(1cm角に穴が25個空いてるくらいの穴の大きさ)

荒土として濾してる粘土が40くらいだから、それよりもやや粒の大きい砂をわざわざ作っているんですな。まあ最初から25で濾してもいいんですけど、それぞれで使い分けがあるのです。

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篩から落ちた砂がこんな感じになったんですけど↓この曲線の美しさたるや!自然法則が作り出す均整というやつですな。

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しかし美しいものは永遠ではございませんで、むしろ時間が短いほど輝きを増すわけで、そして美しさを破壊する行為もまた快感でございますので、そんな倒錯した愛でもって人工の砂丘を破壊したのだけど すごい手触り良いです。砂場の砂がこんなんだったら楽しいぞ〜。とりあえずサイババの真似しときました。

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まあ25の編み目だから一般的に思い浮かべるくらいの砂の感じですけど、これを150とかで濾したら もうめちゃくちゃ気持ちいい砂になります。そこまでの小ささは分類上 砂ではなくて粘土になるんですけど、

150くらいの網目で濾した粘土もまた手触りめちゃくちゃ良くなります。釉薬かけずに焼いた素焼きの質感が気持ちいいんですね。だから手触りを楽しむようなオブジェなんかにきめの細かい粘土を使いたいです。150の篩で粘土作るの大変ですけど。

熊本の高田焼が150のきめ細かい粘土で作っているので、機会があったら触られてみるといいんじゃないでしょうか。気持ちいいです。高田焼と上野焼は同じ人物が始めた焼き物なので、兄弟みたいな関係です。今では全然作風が違いますけどね。ちなみに庚申窯の基本的な粘土は80くらいの網目で作っています。


さて網に残った砂たちですが、これもまた篩にかけられます。

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残った砂も結構な量

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さっきより網目の大きい 一般的なザルで篩にかけます。このザルがちょうどいい目の大きさなので。

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その結果がこれ↓ 砂というにはちょっとでかいくらいですね。

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それをさらに大きな網目で濾すとこんな感じです↓ もう小石って感じですね。

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この小石たちはどう使うのかというと、こういうゴツゴツした質感を作るために使います↓

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粘土に砂や小石を混ぜることで荒っぽさを作り出すのです。この時の砂や小石のバランスが大事でして、例えば一番粒の大きいグループの小石ばかりだと、土の粒子の雰囲気と馴染んでなくて不自然な荒さになってしまうんですね。あえてなのかそういう作風の人もいますけど。

なので粒の大きさを3段階に分けた砂を ちょうどよくミックスさせることで 自然な荒さというのを作っています。あとは砂を釉薬に混ぜることでも 雰囲気を作ることができるので、そんなののために砂を作っています。

まあ砂とかも材料屋さんで売ってるので、売ってるのを混ぜてもいいんですけどね。めんどくせえと言いつつもそれなりに好きな作業なんですな。砂の街は今日も〜 ♪


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目