2020/11/25 01:14

本日のBGM 村田英雄 - 無法松の一生

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今日は日が暮れてからも投光器をセットして 薬かけをやっておりまして、薬ってのは釉薬のことなんですけど、釉薬の作業はできるだけ昼間にやりたいのですが今日は初動が遅くて午後からのスタートでして、

ていうのも朝はいつもくらいの時間に起きたのですが 寒いからなかなか布団から出にくい、枕元にはスマートフォンがある、枕元にスマホは置くものではありませんね。とりあえずアイドリングとして体が外へ出られるコンディションになるまでアプリで漫画でも読んだろう、そして1日1話ずつのやつを読み終わったら なるべく早く出なければいけない、

なんたって今日は窯焚きのスケジュール的に今日中に電気窯を焼かないといけないし、そのために素焼きの器たちに薬かけもしなければいけない、そのほかにも次に焼くための素焼きもしなきゃいけないし、乾いてる途中のお皿たちの進行もしなければならない、そう 今日は今日中にやらなければならないことでいっぱいなのだ!

という事情があり、それをやろうという気持ちもあるものの なかなか布団の外に出る気力が起きませんで、1日1話ずつで読んでる漫画も全て読み終わった、しかしどうしたことだろう一向に布団の外に出たくない、というわけで今キャンペーン中で 無料公開されている 女子高生がカポエラで異種格闘技とストリートファイトする漫画をさわりだけ読んでみようかな、

するとこれが面白くてですね、週刊連載でクリフハンガー方式の話作りだから 次の話への引きが強い、布団から出たものの次はこたつに移動しても読み続けて、その次は日当たりのいい廊下に移動してもなお読み続けて、カポエラ使いの女子高生と男子中学生が半グレ組織の幹部を半数以上とっちめたところで公開分が終了して、すでに午後になっていたというわけなんですけど、

このたぐいのことはよくあることでして、おそらく創作系の仕事をしている人なら思い当たると思うんですけど、やらなければいけないし、自分としてもやりたいし、やるからには完璧にしなきゃいけない作業を目の前にすると 何故か我々は全く別の行動を取ってしまうものでして、それは漫画やらゲームやら掃除やらおしゃべりやらの逃避行動になるんですな。

しかしこの一見ダメな逃避行動を経ることで 我々はまた抜群に集中力を得るものでして、結果としてギリギリの期限に間に合ったり、完成物の質が向上したりするので、決して無駄ではない、むしろ逃避行動があったからこそ できるものでもあるのですが、

そのことを経験的に知りつつも逃避行動中は いつも大変焦っておりまして、早くやらなければならないのに!ちくしょ〜 この後 空手使いはどうなるんだ!?と読み進めて、んで読み終わったら よっしゃーやるぜい!今日は夜更かしコースだーい!と やる気元気いわきスイッチが入って、それでぐりぐり動いて電気窯を焼くのに間に合ったということなのです。


いや〜あれは困ったもんですよね。似たようなケースでは旅行前になると すげー行きたくなくなったりとか、楽しみなはずの人と会う予定なのに 何故か億劫になったりする、でも行ったら絶対楽しい というやつですな。私はそっちの方はあんまりないんですけども。多分だけど完璧主義っぽい人がそうなりやすいのかしら。ちゃんとしなきゃいけないという責任感が、体に逃避行動を取らせるのかもしれませんね。


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ちなみに昔描いたこの壁の絵には一応設定がありまして、彼の視線の先には陶器のテストピースを積み上げているリスたちがいるんですが↓

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彼はリスにしか性欲を感じない人で、いつもリスに恋焦がれているのですが、近づくと逃げられてしまうので、いつも遠くからリスを見続けることしかできないという ちょっと切ない人なのです。

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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目