2020/11/26 20:09

本日のBGM John Lurie - Woman Can Take You To Another Universe


オックスフォード大学にある「人間の未来研究所」というところの研究チームが、観測できる範囲の宇宙で 地球以外に知的生命体が存在している可能性はかなり低いということを発表したそうで、

私なんかは 宇宙がすっごい広くて、星もすっごい いっぱいあるってんなら 地球みたいにして、どっか似たような星で生き物も進化するんじゃないのん、と思ってたんですけど、それは観測者の選択効果ってやつだそうで、

観測選択効果ってのは、観測者の性質や主観によって 観測する対象に偏りが生まれてしまうことだそうで、もし生命を観測する場合、そこには生きている観測者が必要で、その観測者は惑星の寿命が尽きる前に 知的生命に進化しておかなければならないので、観測者の住む惑星の 原始生命が誕生したタイミングというのは 比較的 早い時期になる ということらしいです。

例えば地球の歴史の場合、細胞の中にDNAを包む核を持つ「真核生物」が誕生したのは、核を持たない「原核生物」の誕生から10億年もかかったそうで、それは単細胞生物から多細胞生物に進化するイベントと比較しても かなり可能性の低いことらしいです。

でもそれは「10億年も」かかったのではなくて、「10億年しか」かからなくてラッキーだったね、ということなんですね。人間の時間感覚では10億年なんて無限と等しいものですが、確率という数学的な世界から見れば、10億年では生命が次のステップに進むための時間としては心許ないということなのだそうです。


生命の誕生、遺伝子情報のプログラミング、原核生物から真核生物への進化、有性生殖の発生、多細胞生物の誕生、、、というような 知的生命体が誕生するまでに通過しておかなければならない重要な進化のイベントを、観測者の偏りなしで統計学的に推定したところ、

それらの進化のイベントが 自然発生的に起こるために必要な時間は 惑星の寿命をオーバーしてしまうほどだそうで、それから見ると地球ってのは実はかなりレアなケースなんだそうです。

知的生命体どころか、そもそも生命が誕生するための確率というのもまた べらぼーに低いんだそうで、「たまたま」生命活動を可能にするRNAが生まれる確率というのは、ピアノの上でニワトリを歩かせた時に「たまたま」ショパンのピアノ協奏曲が奏でられるくらいの「たまたま」具合だそうです。まあ端的に言ってそりゃ可能性ゼロですわな。

生命がどうやって誕生したのかについては詳しいことは何もわかってないのですが、もし「たまたま」生まれたとした場合、それが起こるために必要な星の数が10の180乗 個 だそうで、ちなみに一兆は10の12乗、1無量大数は10の68乗ですからもう単位の名前が追いつかないぜ。

そして観測可能な宇宙に存在するであろう星の数が10の22乗 個、単位で言うなら100垓個で、これがもし間違ってて、ごめん!本当はその1億倍あったみたい!ってなっても10の30乗ですから なかなか生命誕生しないぜいこれは。


しかし最新の研究では、地球の観測限界から先の宇宙の広さというのは これまで考えられていたよりも遥かに広大な空間が広がっていて、それを踏まえると 全宇宙で推測される星の数は「たまたま」生命が誕生する確率というのを 補えるくらいの数になるみたいで、

宇宙全体で見れば地球以外でも生き物がいるかもしれないけれど、観測可能な宇宙においては知的生命体や、あるいは生き物さえいない確率の方が大きいということに なるということでした。観測可能な宇宙の距離が138億光年ですからね、光の速さで138億年かかる距離だからなかなか旅行もできねえぜ。

しかも実際の宇宙空間は、光が進んでくる138億年の間にどんどん膨らんだそうだから、空間的な半径は464億光年以上になるそうです。しかもその光というのはビッグバンの熱が冷めて 光がまっすぐ飛べるようになった、宇宙誕生から38万年後以降の光だそうで、その間に膨らんだ空間も考慮するとさらに〜ってことだそうです。


これらの根拠は現在 集計された観測データに基づくので、めちゃくちゃ過酷な環境で生きている生物が発見されたり、地球では全く考えられない形態の生命というのが発見されたら地球外知的生命体のいる確率も大きく変わるということです。


私は物語が好きな人間なので、実際に宇宙人がいてもいなくても構わなくて、まあできればいて欲しいけど 別に会うこともねーだろうしなあ ってな態度で、それよりは 生命が誕生することを確率的に考えるという試みが大変面白いし、そういうのは私の性に合ってるんだろうな と思いました。

でも「たまたま」でなかったとしたら どういうことが考えられるのかしら。先に意思があったのだ、とか? あるいは人間原理的に 人間のために宇宙はあるのだ という方向もありますよね。宇宙人はいると思いますか?


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表の意味はよくわからんけど、知的に見えるかと思って貼り付けておきました。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目