2020/11/29 19:07

本日のBGM 吉田拓郎 - 明日に向って走れ


スクリーンショット 2020-11-29 18.37.38

赤の女王仮説ってのがございまして、何かって言うと生物の進化に関する考え方の一つで、種や遺伝子が生き続けるためには 絶え間なく進化し続けなければならない、ということを、小説「鏡の国のアリス」に登場する 赤の女王のセリフ「全力で走り続けなさい、それでようやっと同じ位置にとどまれるのよ」 というのから名付けられたものなんですけど、

これはそのまま個人事業主にも当てはまるなと思いまして、我々も全力で走ってないとすぐに アウトー! ってなってしまうので、強迫観念的に頑張らねばと思ってるようなところがあります。美容ケアにも言えるかもしれませんね、赤の女王仮説。


その赤の女王仮説を提唱した生物学者が地質調査をして分かったことには、生物の絶滅とは どの科においても非常にランダムなものであって、その生き物が繁栄した経過時間などは関係なく、ある日突然やってくるもので、それを回避して 生き残るための ほとんど唯一な方法とは、デザインを継続的に改善し続けることだけ だそうで、それで赤の女王のセリフに繋がるわけなんですけど、

個人事業主について言えば慣性の問題じゃないかと思いまして、慣性の法則、車は急に止まれないってやつ、車ならニュートラルに入れたら しばらく走り続けますよね。巨大な客船とかだったら止まる方が大変ですし、でもマラソンで走っている場合 立ち止まったらそこですぐに止まるわけで、

個人の質量では「これまでにこれだけやったから」という過去の運動エネルギーもすぐに消費され、これまで通りを維持するだけでも 常に走っていないといけないんですけど、大きな組織は質量が大きく、その分 慣性力が強いので、すでに運動エネルギーが生じてなくても 見かけ上は走っているように見えるし、なかなか止まらない。

でも慣性力が強いことの欠点は、往く先に氷山が見えてても なかなか止まれないってところでして、急な方向転換はできないし、一旦 崩壊へと向かうと その運動もなかなか止められない。

赤の女王仮説が言っているのは改善して猶予を先延ばしにして、その猶予で選択肢を増やすこと、多様性を持つことによって生き続けるということ。非常に安定した環境では多様性というのはむしろ不利に働くのですが、変化に富んだ環境では 小さな慣性力でもって 細かい舵取りをし続けることが 多分一番確実性の高い方法で、

巨大な恐竜たちは隕石の衝突で舞い上がった粉塵による氷河期の到来に対応できなくて、小さな哺乳類たちだけが次の時代に生き延びたみたいなもんで、要するに何が言いたいかというと 今年の12月もやることいっぱいだぜ こんちくしょーということなのであります。師走ってえやつですな。明日に〜向かって走れ〜♪


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目