2020/12/02 22:59

本日のBGM Mel Tormè - When It's Sleepy Time Down South


今年はランニングの成果なのか それなりに着込んでいれば 暖房なしでも作業できるぜ! という感じで、今まで石油ストーブに頼りっぱなしだった作陶環境からの脱却に成功するかに思えておったのですが、

12月に入って本格的に寒くなってまいりまして、特に日が暮れてからが寒くてですね、それで石油ストーブを引っ張り出してきて 火を入れたら これがまあ大変に快適で、文明の利器、火の叡智と温もり、ゾロアスターの神などに感謝を捧げ、このようにして人間は快適さに抗えず、人体の機能を落として行ってしまうのね、なんと思いつつ、

陶芸家の中には「冬の間は寒いから作ったりしねーよ」という人もおりまして、なにそれめっちゃええやんけ、と 私はいつも羨ましく思うものの、私の方はとてもそうは言っておられませんで、やることが多くて疲労からなのか現実逃避からなのか大変に眠い日々なんですけども、

2匹になってしまった庚申窯の野良猫たちは各々のライフハックによって寒さを生き抜いておりまして、こちらの猫↓の寒さを凌ぐ術というのが 魚の入っていた発泡スチロールで昼寝するというやつでして、余白があまりないから熱が逃げにくいし、日当たりのいいところに置いてあるから日光でポカポカで、日中の大部分をこの発泡スチロールの中で寝て過ごしております。

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この猫は元々は人間にあまり慣れてなくて警戒心が強く、今でも知らない人には近づかないんですけど、私などは慣れたものですので、箱の前を通りかかるたびにウリウリと地獄突きを喰らわしたりしております。

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長い眠りについた猫は裏庭にいまして、そのあたりには お歴々が埋まっているのでペットセメタリー状態なんですけど、猫たちはいついなくなるかわからないので、毎回それが最後でもいいようにウリウリと撫で回していて、

私の人生観としては 好きなように生きたら それで十分だと思っているので、野良猫たちには 別れの悲しさはあるものの、自由に生きたことを思えば悔いが残るみたいなことはなく、ただ悲しさだけがあるのですが、

今回の猫はもう少し長く生きても良かったんじゃないかと、可哀想に思う気持ちがあって、生きる時間が長いということは それだけで十分な対価を既に得ているのだと思います。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目