2020/12/12 19:41

本日のBGM Dean Martin - A Marshmallow World 


陶芸におけるバケツというのはこれもう消耗品でございまして、実験の釉薬や粘土やらをバケツごとに入れてるからすぐに数が足りなくなりまして、そうすると「もうこれは使わなさそうだな〜」というバケツの中身をだして、洗ってからまた使うんですけど、

それもいよいよ間に合わなくなり、今残ってるのはどれも使うやつばかりで、空きバケツがひとつもないバケツ難民状態になりましたので、モノタロウでバケツを買ったんですけど、このモノタロウのバケツが大変に優秀なのです。

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何が優秀ってその価格でございまして、再生材のバケツなんですけど、一つが120円とかそこらで、今回30個買って3,000円超えたからモノタロウルールにより送料が免除されて 大変にリーズナブルな商品なのです。

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しかも市井で売られている百円そこらのバケツに比すると驚くべき耐久性で、紫外線に強いし、頑丈だし、シンプルかつ使いやすい形をしているから、もう陶芸とかで使うようなバケツならモノタロウの再生材バケツ一択、いわゆるコストパフォーマンスがええっちゅうやつなのですです。


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それで新しいバケツが来たから早速 新しい粘土の実験に使いまして、この間石材屋さんから買った10トンの粘土の、たぶん原料になる3種類の土だと思うんですけど、

ていうもの その石材屋さんはこれまで福智町に来たことがなかったそうで、道の確認のため 一度下見に来られた際に この粘土たちを持ってきてくれて、それぞれの説明をしてくれたんですけど、

その日は伝統工芸の研修があった日で、私は庚申窯に居らず、父もいなかったので、その話は母しか聞いてなかったんですけど、よくわかんなかった という一言のみ伝聞されたのでした と言うわけなのです。アイヤー。

一応それぞれの粘土の名前と耐火度だけメモが残されていたので、それぞれの粘土を焼いてみて特徴を見ようと思いまして。もしかしたら思いがけず いい色ができるかもしれないし。

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そのまんまじゃ水に溶けないからハンマーで砕きます。

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これはまた えらい青い土ですな。何の成分でこういう色になってんのかしら。

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黄色い粘土は割とよくあって、庚申窯の裏の池で取れる粘土もこんな色で、鉄分がかなり多いですね。これも850度くらいで焼き締まるそうなので、似たような粘土でしょうね。

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水に溶かしてみたら それぞれの土の差が出まして、一番水に溶けやすかったのがムラサキの土で、そのまま混ぜてたら すぐに溶けたんですけど、アオの土は全然溶けねーでやがんのね。すごいかたい。頑固者って感じ。もしかしたら細かく砕いて粉末にしてからじゃないと溶けないタイプのやつなのかしら。

あるいは釉薬を作るボールミルで細かく砕くという手もありますけど、この間 渡窯の見学で聞いた話では、ミルを使って 粘土を水に溶かした状態で細かく砕くと、粘土の中のなんとかっちゅう成分が水に溶け出してしまって、

それは粘土同士のつなぎになるようなやつだから、粘土の粘りとかが弱くなって、作りにくくなるし、乾燥の時に割れやすくなるということでした。だからスタンパーとかで乾いた状態を細かく砕いた方がいいそうです。それは思い当たる節があるので、今後は気をつけようと思いまして。この土たちはどんな風になるかしら。でももし焼き上がりがよかったら また10t買うのかしら。庭がどんどん粘土で埋まっちまうわ。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目