2021/06/12 19:48

本日のBGM Prince & The Revolution - Purple Rain


今朝テレビのニュースで放送されていたんですけど、女の子のランドセル人気第1位が紫(薄紫を含む)になったそうで、2位が赤で3位がピンクだったそうです。

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紫が人気な理由として「アナと雪の女王」や「ラプンツェル」といったディズニープリンセスの衣装カラーだったから、そこから商品企画や雑誌企画で紫推しが始まって、じわじわ人気を上げていったのではないか、と考えられているそうです。

しかしアナと雪の女王の日本公開が2014年だからアナ雪人気は息が長いですなー。小学校1年とかだと生まれる前になるんじゃないの。

アナと雪の女王は今でもずっと人気ってことなのかしら。でもそれなら公開直後に紫が1位になっててもいいですよね。それとも人気になるまで時間差があるのかしら。


こちら↓はイノベーター理論といって、新しい商品が市場に登場した際、時間経過と購入者数の増加について、消費者を5つに分類できるっていう標準偏差の図ですが、(図の出典元 https://www.onemarketing.jp/lab/btob-marketing/innovation-theory_195

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イノベーター(2.5%)が新しい商品やサービス、言い換えれば「新しい概念」に いち早く飛びついて、アーリーアダプター(13.5%)がそれに続く形で、この16%の人たちによって初期市場というのは形成されます。

ここの人たちはいわゆる「早い人たち」なわけで、インフルエンサーとかはアーリーアダプターに当たります。その人たちの間で十分に賑わっていてもメインストリームの人たち(庶民のやさしい言い方)に そのトレンドが伝わるにはキャズムという空白期間があります。


キャズムという ためらい期間を乗り越えると 次は 流行に比較的敏感だけど慎重派なアーリーマジョリティ(34%)が増えて、ほんでもう これは乗っかってもええぞ って安心しだしたらレイトマジョリティ(34%)も市場に参入しだして ここでようやっと「人気商品」となるわけですね。

そして最後まで新しいものに食いつかないラガード(16%)という保守層がいまして、これはもう理屈の通じない頑固者たちですね。私なんかはこれに当てはまりそうです。


さてランドセルの紫が一位になったということは 少なくともアーリーマジョリティの層までは商品が浸透しているということで、てことは「紫のランドセル」という新しい概念はアナと雪の女王、あるいはラプンツェルに端を発して、人気商品となるまでに7年くらいかかった、ってことでしょうか。

市場に浸透するまでに必要な時間が7年くらいっていうのは なんか妥当な感じがしますね。iPhoneとかもそんな感じでしたし、iPhoneを初代から使ってたApple好きの親戚は当時 [なんでそんなの使ってるの?よくないでしょ?] と 会う人会う人に不審がられたそうです。新しいものに対する不審感は少なからずありますものね。


アナと雪の女王やラプンツェルでの紫色だけど、これはディズニープリンセスのイメージ転換がありますよね。女の子はみんなお姫様になって王子様の迎えを待ってるんだ、という かつてのディズニー映画が作り上げてしまったヒロイン像がありますが、

でも21世紀の現在 それはもう性の多様化や、生き方の多様化によって、「女の子だから」「男の子だから」という決めつけが全くの時代遅れなものとなってしまって、誰かに押し付けられた役割ではなく「自分らしく」生きることを肯定する映画がラプンツェルであり、アナと雪の女王だったのではないかしら。

そして男女どちらにも近づきすぎていない ジェンダーレスなイメージの色として紫は採用されたのではないでしょうか。


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ジェンダーレスで紫 と聞くと思い出すのは やっぱりプリンスですよね。紫はプリンスのイメージカラーになります。名前がこの記号だった時もあったし↓

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[かつてプリンスと呼ばれた存在]、ていうかプリンスの表現していた 男だとか女だとかのカテゴライズはもはや意味がないんじゃい、上の記号も自由に読んだらええやん、って事も、ようやっとメインストリームに浸透してきたと言えるのではないでしょうか。自分自身のパーソナリティも、型にはめず レリゴーできる時代になりつつある、ということで、紫人気、結構なことなんじゃないでしょうか。


ちなみに紫にはヴァイオレット(青紫、すみれ色)とパープル(赤紫)がありますが、ヴァイオレットは可視光線の一番端っこ、そこから外れたら紫外線ってことで、ギリギリ人間の目に見える色ですが、

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一方パープルというのは赤と青の中間色で、非スペクトル色(上のがスペクトル色)になりまして、これ実は人間には見えなくて、でも実際に見えてるやんけ!って見えてる色は、人間の青の錐体細胞と赤の錐体細胞の2つの信号を同時処理することで脳内にパープルという色を作っている、ロマンチックな言い方をすれば紫というのは心の中にしかない色なんですね。

非スペクトル色で見えるというと あとは 白 黒 グレーとかなので、紫はこういった側面でも特別な色だと言えます。


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目