2021/07/05 02:11

本日のBGM The True Reflection - That's Where I'm Coming From

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UFOについての報告書をアメリカ政府が公表したというニュースが話題になっておりますが、私は夢想的なところがあるし、物語大好き人間なので宇宙人やら未知の物質やら多次元やら大変に好きなんですけど、好きなものがあるとそれにまつわる色々なことに興味をもちますよね。

すると実際に地球以外に宇宙人がいるとしたらどうなんだろうと 宇宙のサイズや光の速さや無機物からの生命発生の確率とかを考えてみると、そういった事実があって欲しいという心情とは反して、んーこれはちょっと無理なんじゃないかなあって思ってしまいまして、

地球以外に宇宙人が居ないって断言できないように、居るって言うことも断言は難しい、まあ不在証明というのは悪魔の証明と言われるように、居ないことを証明するのは不可能なので、居るというスタンスは勿論いいんですけど、

好きなあまり設定として無理な部分をどうしても無視できないって言いますか、否定を覆して欲しいという心持ちがあっての否定派、つまり愛ゆえに厳しくあたって それをさらに乗り越えて欲しいという宗方コーチ的な態度なのです。要するにめんどくせえ奴ってことですね。

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ところでテレビショーにおいて そのUFOの話題の時に 専門家と称する人が戦闘機に捕捉される程度だから大したことないんじゃない って言ってたけど、

仮に宇宙人が太陽系の外から来た場合、地球が太陽の周りを公転してるように、太陽系自体も天の川銀河の中を秒速240キロ、時速に直すと時速86万キロくらいで公転してるから、太陽系の外から太陽系に入ってくるには その公転スピードを上回る速度を出せる乗り物でないと そもそも太陽系に来れないわけで、

もし86万キロ以下のスピードしかでない乗り物で太陽系に来ようとしたら、太陽系の公転周期が2億年以上もあるから、2億年単位でタイミングを測ってこなきゃいけないので、どっちの方が現実的かと言ったら86万キロ以上のスピードで動く宇宙船の方ですよね。もちろんこの数字はどこから来るかによっていろいろ変わるでしょうけど、とにかく結構大変ってことで。ニュアンスで。


一方人類がこれまでに出した有人の乗り物の最速記録は アポロ10号の帰還部分が 月から帰ってくる時の時速4万キロで、地球サイドが宇宙空間で速く飛ぶための技術開発を中心に置いていないとはいえ、時速86万キロを出せる乗り物の技術水準と比べるとなかなか開きがあります。

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宇宙空間には重力がないんだから そんなもんいくらでも速くできるんじゃないの、とついつい思ってしまいますが、物体のスピードを速くすること(加速)には重力の有無に関係なくエネルギーは必要でして、しかもちゃんと質量の大きいものほど加速させるにはより多くのエネルギーが必要だし、スピードも速くなるほど必要なエネルギーはどんどこ増えていくから、

今地球にある一番効率のいい加速装置でも そこそこ人間が暮らせるサイズの船を時速86万キロまで加速させるには地球にある資源を燃やし尽くしても足りないわけなのですたぶん。


てなことを言っても宇宙空間における乗り物の作りと、大気が存在する地球上での航空機はそれぞれ違う構造を求められるから、いくら宇宙空間で速く飛べても地球上ではそこまで速く飛べないのでは、ということも考えられますが、

逆に言うと その宇宙船って宇宙空間でも大気圏内でも どちらでも飛べるという これまたとんでもない代物になるわけで、宇宙に飛び出すために必要な速度、地球脱出速度がさっきのアポロ宇宙船と同じ時速4万キロくらいだから、

大気圏内でこの速度をいつでも出せて、複数回 大気圏突入と脱出を繰り返せる船体強度があって、その上で宇宙空間では時速86万キロ以上で航行可能だとしたら、時速4万キロの時点で既に大陸間弾道ミサイルも追いつかないほどの速さだから、単純に航行速度だけで想定してもこれだけの技術の開きが予想されます。


実際には発見されてる一番近い太陽系外惑星から地球までの距離とか、そこから来るのにかかる時間とか、エネルギーや資源の補給、再生産とか もっと難しい問題がたくさんあって、それら全てをクリアして来てる宇宙人の技術水準を考えると 地球サイドにはぜんぜん勝ち目が無いと思うけど、どうして彼はUFOを大したことないと言ったのかしら。

まあでもこんなことはワイドショーのコメントに収まらないし 求められてもないだろうから その場の空気に合わせてサービス精神で言ったのかしら。これも実際には大事なことですよね。そもそもそれぞれの人の宇宙への関心には ばらつきがありますから、むしろ彼の方が現実的なのか。


まあめんどくさい話は置いといて宇宙に意味を求めるのはロマンがあってやっぱりいいですよね。きっとそれは人間とか自己認識に意味を求めるのと似てるんでしょうね。


第一次世界大戦で負けたドイツはえげつない賠償金請求でハイパーインフレが起きて、その結果ドイツ国民の暮らしは悲惨なものに、そんな状況において人々は宇宙開発やロケットという化学による夢に熱中したわけで、

あまりにつらいと人間は現実的な解決策ではなく、現実を忘れさせてくれるものに投資しだすという傾向があるみたいで、それが良い方につながるかどうかというのは後から振り返ることでしかわかんないんですけど、

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宇宙とか言ってないと今ってもう夢があんまりないのかもしれないわん。なんてペシミストぶっててもモテなさそうなので宇宙人はきっといるんじゃないかなあ!こんなに星が輝いているんだもの!もしかしたら風船おじさんとかもまだ空飛んでるかもよ!なんて。

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高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目