2020/09/21 09:48

本日のBGM Poolside - Harvest Moon


さて前回からずいぶん間が空いたんですけどサラの作り方の続きです。作業自体は8月に終わっていたんですけどね。

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↑黒のサラはシンプルでいい感じです。←こんなざっくりした説明があるでしょうか ってなもんですが シンプルが故にいいものはシンプルに評していいのです。シンプルという言葉の便利さを享受しております。



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前回の終わりから もう一回ロクロで表面を削って整えて、あとはひたすら乾かして行きます。この写真↑のように生乾きの時はとにかく新聞をひいて水を吸わせた方がいいですね。

上になってる面は常に空気に当たって乾燥が進むんですけど、下側も同じくらいのペースで乾かさないと歪みやすくなります。あるいは上下ひっくり返したりしながら乾燥を進めたりもしますね。

この形だと厚みがあって、しかも庚申窯の土はどちらかというとキメが細かい仕上がりになっているので 粘土の中の水が外に出ていきにくく、あんまり乾燥を急いじゃうと表面だけ乾いてしまって 中の水分が閉じ込められるような状態になったりするので、最初はゆっくり乾かしていく必要があります。


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ある程度乾いて固くなったら もう変形する心配はないのでサラよりも細い板に乗せて上下から空気が当たるようにします。

写真は電気窯の上のスペースに棚板を乗っけて乾かしているところで、電気窯を焚いたり、この写真では奥にチラッと見える灯油窯で ちょうど焼いてる時なんですけど、この時の熱気が上の方に溜まるので、その熱を利用して乾かします。


これでほぼほぼ乾きますが、それでも心配なくらい分厚い作りや、ここに乗せられないサイズのものは天日で乾かすのが一番いいでしょうね。

あるいは乾燥を早めるために、電気窯に入れて100度から200度くらいの低温で一晩中焚いたり、電気窯のとびらを開けた状態で焚いたりとか、中には電子レンジであっためて水分を飛ばすなんてやり方もあるそうです。急ぎの時のテクニックですね。

一回レンジのやつ試したら爆発しましたけど、低出力で長時間かけてやると実際に乾きました。粘土の性質にもよるでしょうね。レンジの中に水分がたまるから1回では乾ききらないので 何回かに分けてチンする必要がありますね。



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乾燥したものがこちら↑で、乾燥したときにやるのはサンドペーパーでの研磨でして、使いまするはこちら↓のコバックスのベルトサンダー用のペーパーなんですけど、

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このお皿は作ってるときに指でならして表面をつるつるにしてますので研磨するのは端っこの部分だけになります。ここ↓を

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こんな感じ↑にします。写真だと差が分かりづらいですけど、手でふれた時の感触は全然違うと思います。このお皿はカーブの滑らかさがポイントになるので境目がないように するするした指通りの曲線を意識して作っています。


サラ作り また続きまするする


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目